南スーダン首都で戦闘115人死亡 独立5年、陸自PKO支援

日本の陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)で支援する世界で最も新しい国、南スーダンが九日、独立して五年を迎えた。内戦終結の兆しが見えていたが、八日には首都ジュバで戦闘が発生、ロイター通信によると、少なくとも百十五人が死亡した。今年四月の移行政権発足以来、最悪の被害となった。対立が再燃したことで戦闘拡大への懸念が高まっている。

キール大統領が八日、独立記念日を前に声明を発表する直前、大統領府近くで大統領派と元反政府勢力の間で戦闘が始まった。ロイターによると、元反政府勢力側は九日、大統領派八十人と同勢力側三十五人が死亡したと明らかにした。

現地の日本大使館関係者によると、紀谷昌彦(きやまさひこ)・駐南スーダン日本大使は当時、ジュバ市内の欧州連合(EU)の施設にいた。安全のために施設内で一夜を過ごし、九日になって大使公邸に退避した。邦人の被害は確認されていない。

ジュバでは七日にも銃撃戦があり、五人が死亡。PKOでジュバの道路舗装や避難民キャンプの整備に従事する陸自第七師団(北海道千歳市)中心の十次隊はこれを受けて八日は活動を休止。九日は宿営地の国連施設内での作業を再開した。

南スーダンは二〇一三年、キール氏と元反政府勢力トップのマシャール氏の権力争いをきっかけに内戦状態に陥った。移行政権発足でマシャール氏は第一副大統領に就いた。

キール氏は八日、相次ぐ銃撃戦に「何の意味があるんだ」と怒りをあらわにし、マシャール氏も「和平協定を順守すべきだ」と訴えたが、両氏が末端の兵士らを統率できていないのは明らかだ。

内戦で経済も大きな打撃を受けた。国際通貨基金の調査チームは、原油生産量の大幅な減少と油価低迷で政府の収入が減り、今年の財政赤字が国内総生産の25%に当たる十一億ドル(約千百億円)を超える可能性があると指摘。政府は財政危機を理由に毎年恒例だった独立記念日の祝典を中止した。




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