報告書の9割丸写し 15年度、愛知県議の海外視察

愛知県議が2015年度に税金から支出される政務活動費を使って複数人で出掛けた海外視察で、提出された報告書延べ37人分のうち、9割の34人分が他県議と同じ内容だった。4日公開された政務活動費の報告書で分かった。報告書をコピーで済ませる事例は提出が必要になった13年度からみられ、国内視察でもあった。

「愛知での航空宇宙産業戦略推進の大きな参考となった」。航空機メーカーのボンバルディアの本拠地カナダ・ケベック州などを今春に訪れた県議の報告書。民進党県議団の10人が提出した内容は、行程から目的、成果まで、議員名以外は一言一句同じだった。

視察に政務活動費72万円を充てた富田昭雄団長(名古屋市名東区)は「行程や視察内容が同じなので事務的に作成して共有した」と語る。

この報告書とは別に、視察結果を31ページの冊子にして全団員に配布した。富田団長は「成果は6月議会での質問に生かされている」と強調。冊子の中身は今後、団のホームページにも掲載する予定という。

公開された政務活動費の報告書によると、複数の県議が参加した海外視察8件全てで、それぞれ同内容の報告書がみられた。8件では、延べ37人が提出しているが、コピーでなく独自に作成したのは1割に満たない3人だった。

自民党県議団の8人が昨年11月に訪れた中国・上海の報告書も4人が全く同じ。さらに1人は手書きで大部分を書き写していた。

5月から県議団長を務めている中野治美氏(津島市)は「現地での行動が一緒だったから、報告書の中身も統一した。バラバラではない方がいいと判断した」と問題ないとの考え。丹羽洋章氏(豊橋市)が書いた文案を共有したという。

党派を超えて共有するケースもみられ、昨年5月にロシアを訪れた民進、公明県議も同じ報告書だった。

全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡事務局長は「コピーでは複数で視察に行く意味がない。税金で視察した成果を県民に知らせる報告書の意義が理解されていない」と話している。




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