「朝鮮大学校」とは何なのか? 各種学校認可で恩恵を受ける組織を専門家は「革命の基地」と断じた

東京都小平市にあり、今年創立60年を迎えた「朝鮮大学校」(朝大)に北朝鮮問題専門家の視線が集まっている。歴史的に日本における「(朝鮮)民族教育機関」を名目に運営されているが、専門家によると、実際には金正恩委員長を礼賛する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と密接な関係を有し、「革命の基地」と位置づけられているという。識者からは「北朝鮮の金正恩体制を支持する思想教育機関」となっている実態を懸念する意見が相次いでいる。

朝鮮半島研究者として知られ昨年、山梨学院大学教授を退任した宮塚利雄・宮塚コリア研究所代表は先月21日、朝大問題を扱うシンポジウムを開いた。

宮塚氏は朝大について、北朝鮮が「民族教育の殿堂」「革命の基地」と位置づけていると指摘。核兵器開発を放棄せずミサイル発射を繰り返し、日本や国際社会を威嚇する北朝鮮の独裁体制を支えている現状を「朝大は日本にありながら北朝鮮の金王朝のために尽くす『各種学校』だ」と断じた。

さらに宮塚氏は、朝大が「各種学校」としての地位を得て現在、恩恵に浴している経緯に言及。かつて「日本の学者や文化人、教育関係者をはじめとする各界各層の積極的で広範な支持」があったと設立の背景を説明した。

朝大は昭和31(1956)年創立。34年の小平市への移転開始にあたっては盛大な式典を開催。「金日成元帥万歳!」などと金日成主席への個人崇拝を隠さなかったという。

創立にあたり北朝鮮から2億円ともされる資金援助があり、初期のうちに北朝鮮体制を支える人材の育成と対日工作の拠点としての役割が期待されるようになっていったのである。

シンポに報告者として登壇した評論家、三浦小太郎氏は朝大が税法上の利点を得る「各種学校」として存在している事実を問題提起。三浦氏は、43年に当時の美濃部亮吉都知事が各種学校として扱うことを決めた経緯を、美濃部氏自身の著書「都知事12年」(朝日新聞社)を引用しながら紹介した。

美濃部氏は知事就任(昭和42年4月23日)直後、当時の安江良介特別秘書(後の岩波書店社長)から朝大の認可問題が前任知事からの懸案となっていることを知らされた。

著書によれば、美濃部氏は当時、驚くべきことに「(朝大の)認可申請」が「税制上の優遇措置を求める狙い」があることを認識していた。そして、「直感的には『認可すべきだ』と思った」と回想している。

さらに、当時政府・自民党が「(朝大を)反日教育の拠点だ」と強く反対していたことにも言及。三浦氏は、美濃部氏が「内心では美濃部都政の革新性を実証するにはうってつけ」と、朝大の認可を自らの“革新”都政の宣伝に使うつもりだった、と指摘している。

認可問題をめぐっては北朝鮮・朝鮮総連と激しく敵対していた当時の在日本大韓民国居留民団(現、在日本大韓民国民団)らの猛烈な反対運動も起きた。

一方で当時、美濃部都政を支援する「進歩派文化人」を中心とする「認可支持派」は、有識者らによる2000件に及ぶ署名を提出し認可を後押しした。

朝大の認可をめぐり、日本政府は当時、懸念を示していた。

三浦氏によると、昭和40年12月28日には文部省事務次官が「朝鮮人のみを収容する教育施設の取り扱いについて」との通達を発している。

この中で文部省は、「朝鮮人としての民族性または国民性を涵養することを目的とする朝鮮人学校は、わが国の社会にとって、各種学校の地位を与える積極的意義を有するものとは認められないので、これを各種学校として認可すべきではない」との見解を示している。

美濃部氏は、こうした常識的な感覚を無視して朝大を認可したが、朝大は42年以降、北朝鮮での主体思想の形成、金日成主席への個人崇拝・全体主義体制の確立を経て、日本社会において一層、異様な“教育機関”として変質していった。

朝大について、韓国はどのように見ているか。在日韓国大使館でかつて公使を務めた洪●(ホン・ヒョン)統一日報論説主幹は、北朝鮮や朝鮮総連、朝大が主張する「民族教育」について、「北朝鮮の封建全体主義体制を支配する『首領主義』や朝鮮労働党のイデオロギーと関連があるととらえるべきだ」と看破している。

韓国の法律によれば、朝大は韓国の敵である朝鮮労働党の機関で、「反国家団体」に該当するという。

洪氏は、北朝鮮機関では首領と体制に服従するよう生まれてから死ぬまで個人に対する洗脳作業を続ける、と指摘。こうした洗脳教育は中等教育段階の学校においてだけでなく、数多くの組織活動が日常を幾重にも縛って行われていると分析し、朝大は「この洗脳、束縛装置を維持する朝鮮総連の核心要員の養成を目的としている」と、危険性を喚起している。

※●は「榮」の「木」を「火」にした字




http://www.sankei.com/premium/news/160703/prm1607030030-n1.html