英国で移民に嫌がらせ急増 EU離脱派勝利 社会分断に懸念

国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた英国で、争点となった移民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が急増している。分断される社会に懸念が高まり、警察は取り締まりの強化に乗り出した。

英メディアによると、結果が判明した二十四日以降、ロンドンのポーランド社会文化協会の入り口で差別的な落書きが見つかったほか、英中部の街では「EU離脱 ポーランドのダニどもはいらない」と書かれたカードが家や学校にばらまかれた。

ツイッター上では、他のEU加盟国出身者らが街で「いつ国に帰るんだ」とののしられたり、学校のトイレに「ルーマニアに帰れ」の落書きがあったりするなど悪質な事例が多数挙がっている。

ポーランド大使館は「ポーランド社会や他の移民系住民に直接向けられた外国人差別的な攻撃はショックで、とても憂慮している」と声明を出した。

警察当局によると、投票日から四日間に、インターネット上のシステムで通報された憎悪犯罪は前月同期の約一・五倍に増加。攻撃はイスラム社会にも向けられ、投票後、街頭やネット上での差別事案は百件以上に上るという。

国民投票では、仕事を求めて中東欧から流入する移民の制限が争点となり、特に移民の多い地方都市で離脱志向が強く出た。離脱派が勝利したことで、反移民感情が一層過激になって表面化したとみられる。

二十六日の議会でも、複数の議員が社会の分断を憂慮。キャメロン首相は、ポーランドのシドゥウォ首相に電話してポーランド人保護に全力を尽くすことを約束したと述べ、「彼らはこの国に来て素晴らしい貢献をしてくれている。憎悪犯罪や攻撃は根絶しなければならない」と訴えた。




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