7路線、作業道の整備不可能 大北森林組合不正受給

大北森林組合(大町市)による補助金不正受給事件で、県警が虚偽有印公文書作成・同行使などの疑いで書類送検した県職員4人=いずれも起訴猶予=が森林作業道の整備に伴う国補助金の交付決定手続きの際、現場調査をしたとうその報告をしたとされる計16路線のうち、7路線が開設済みの町道などで、そもそも作業道の工事ができない補助対象外の道路だったことが26日、県や関係者への取材で分かった。

県はこれまで、当時の担当職員が架空工事の認識はなく、「組合がいつか工事をすると思っていた」と受け止めていた―としてきたが、工事の実施可能性をどこまで認識していたのか、改めて説明が問われそうだ。

県人事課コンプライアンス推進室は、担当職員の当時の認識について、「回答は控える」とした。事件を巡り、長野地裁で開かれている組合前専務理事の中村年計(としかず)被告(54)=補助金適正化法違反罪などで起訴、松本市=の公判にも影響するためという。

県森林づくり推進課などによると、7路線は、北安曇郡池田町の町道が4路線で、他は国立研究開発法人森林総合研究所(茨城県)管理の山林内にある3路線。町道は森林作業道ではなく、森林総合研究所の作業道は国が整備するため補助対象外だった。

報告書には町などが管理する道路とは記されていなかったという。ただ、一般的には地番の記入や地図の添付が求められており、所有者や管理者は調べることができる。

残り9路線のうち8路線は、県林業公社(長野市)が大町市と同郡白馬村で管理する山林内にある道路。同公社は自ら作業道を工事するのが通常で、大北森林組合が整備主体になることは「例外的」(県森林づくり推進課)という。

補助対象外の7路線と県林業公社の8路線の計15路線は、既に開設されていた。残り1路線は、池田町内の林地。組合は2011〜14年、この16路線を整備するとして県に補助金を申請したものの、実際には整備せず、総額2300万円余を不正に受給した。

県警は、16路線で現地調査をしていないのに確認したと報告書にうそを記載したとして、県北安曇地方事務所(大町市)に当時勤務していた職員4人を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、うち1人は架空と知りながら補助金交付の手続きをしたとして補助金適正化法違反容疑でも書類送検。長野地検は、起訴に足る証拠はあると判断しつつ、県の予算執行が目的で、個人的な利得がなかったなどとして起訴猶予とした。




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