<片目失明>苦悩を知って…NPO「障害者認定」求め活動

片目の視力を失った人たちで作るNPO「片目失明者友の会」が、視覚障害の認定基準の見直しを求めて活動を続けている。現行の国の基準では片目の失明だけでは障害者と認定されず、見える方の視力が0.6以下であるという条件があるためだ。見える目を酷使して頭痛などに悩む人も多く、代表の久山公明さん(66)=広島市=は「私たちの苦しみを知ってほしい」と訴えている。

久山さんは小学3年で左目の視神経に異常が見つかり、翌年に失明。障害認定してもらおうと母親が役場などに相談したが、右目の視力が1.5あり、基準を満たしていないとして認められなかった。基準は身体障害者福祉法に基づくもので、1950年に作られて以来、ほとんど変わっていない。

片目の視力を失い、久山さんの人生は変わった。中学と高校でいじめを受け、鉄道の仕事をするという夢も諦めた。家具卸売会社で働き始めたが、頭痛やめまいに悩まされ、段差でつまずいて転倒することも多かった。

定年を目前にした2013年、「黙っていては何も変わらない」と1人で同会を発足させた。会のフェイスブックを開設すると、全国の片目失明者が悩みを書き込むようになった。「差別が怖くて片目失明を周囲に隠している」「義眼を交換するたびに数万円の自己負担が必要」−−。多くの人が苦しんでいることを知った。

会員は約370人になり、「自分たちを障害者と認めてほしい」という声も強まった。障害認定されれば自己負担なしで義眼が製作でき、公共交通機関の運賃が割引になるなど支援が受けられる。同会は14年6月、片目の失明で障害認定されるよう基準の見直しを求める要望書を、約3万6000人の署名とともに厚生労働省に提出した。

認定基準の見直しについては、塩崎恭久厚労相が今年3月の参院予算委員会で「検討を進めて結論を出したい」と答弁。日本眼科学会などが見直しを進めており、その検討結果を踏まえ、厚労省は専門家検討会で議論する見通しだ。

久山さんは「片目失明者の日常生活には大きな困難がある。一日も早く障害者と認めてほしい」と話している。同会は電話(082・873・3963)で参加者を募集している。

◇ 視覚障害の認定基準

両目の視力を足した数値や視野により1〜6級に分かれる。最も軽度な6級は片目の視力が0.02以下、もう片方の視力が0.6以下で、両目の視力の合計が0.2を超えるもの。厚生労働省によると、障害認定された国内の視覚障害者は31万6000人(2011年)。




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