魚の「神経締め」高知県内漁師に浸透中 鮮度保持が格段に向上

消費者の口に入るぎりぎりまで鮮度の良さを―。それを実現させるため、高知県内の漁師らの間で「神経締め」が少しずつ広がっている。神経締めを施すと、鮮度保持が格段に良くなり、魚種によっては魚価が数倍になることもある。推進役の高知県は「漁師の手取りを増やすため、少しでも広めていきたい」(合併・流通支援課)と話している。

「神経締めした魚は、入札価格が2、3倍変わるときがある」

高知県幡多郡大月町で定置網「坂本定置」を営む坂本越郎さん(44)はそう説明する。2015年11月から導入し、良型のサバやタイ、カンパチなどが揚がれば、できるだけ神経締めを施して市場に出す。

神経締めは、魚の頭部から針金を差し込み、背骨上部の神経を破壊して死後硬直を遅らせる技法。

高知県漁業協同組合などによると、県内では一部の養殖業者らが取り入れているものの、漁師はまだまだ少ないという。このため高知県漁業協同組合は高知県の委託を受け、2015年11月から定置網の漁師らを対象に神経締めの産地指導を始めた。

坂本さんは「足の早い(腐りやすい)サバは、夕方になると味が落ちていた。神経締めをしていると、夕方でもおいしく食べられる」と強調する。

神経締めの普及を図る背景には「高知家の魚応援の店」が急増してきた事情もある。

高知の魚を扱う県外の料理店などを支援する制度で、登録店は関東と関西を中心に2016年4月末で602店。1年間で226店も増えた。「年間で1千万円分を仕入れている飲食店グループも複数ある」(高知県合併・流通支援課)。この仕組みを使って少しでも鮮度の良い魚を売り、それによって高い評判を得るという好循環を生み出したい考えだ。

高知県漁業協同組合による産地指導は2016年度、25回を予定している。合併・流通支援課の宮本猛課長は「神経締めした魚は、仲買人や『応援の店』に評判がいい。高知の魚はおいしいという評価をさらに定着させたい」と話している。




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