南相馬の介護費用「1.3倍」 震災前後比、若者避難で負担増

相馬中央病院(相馬市)の森田知宏医師(29)らは16日までに、東日本大震災の前後で、南相馬市が負担した高齢者1人当たりの介護費用が平均で約1.3倍になったとする研究結果をまとめ、英国の医学誌に発表した。森田医師は「若者の避難で高齢者が介護に頼る割合が増え、公的な介護負担が増加した」と分析している。

同市が開示している2009(平成21)~14年度の介護給付費を、各年の高齢者人口で割って平均を出した。市が支出した高齢者1人当たりの介護給付費は09~11年度が平均20.3万円だったのに対し、震災後の12~14年度は26.5万円に増えた。また、同市の介護保険料基準額は09~11年度が3万7200円、13~14年度(12年度は震災の影響で算定なし)は5万6600円だった。

同市では震災と原発事故に伴う若者の避難などで、高齢化率が26%(10年度)から30%(14年度)に急増した。森田医師は「高齢化社会の進展を考えると、南相馬市の事例は日本全体の先例とも捉えられる」と指摘。「公的な介護費の支出を抑えるには、家族だけでなく地域的な支え合いが必要になる」と話した。

研究結果は、森田医師と南相馬市立総合病院の医師の計5人が昨年6~8月にかけてまとめた。




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