雄武町職員自殺 残業9カ月で552時間か 町議会で追及

定例雄武町議会が13日開会し、昨年12月に同町の男性係長=当時(45)=が自殺したことについての一般質問で、係長の時間外労働が約9カ月間で約552時間だった可能性が浮上した。町が提出したパソコンの稼働時間を基に、嶋村義文議員が指摘した。庁舎の入退出記録から推定した約434時間よりも増えた格好。これに対し町側は否定的な見解を示した。

同町は上司の許可がなければ残業を認めていないため、嶋村氏は「より現実的な勤務実態を示すデータの一つ」として、係長のパソコン稼働時間の資料を請求していた。それによると、係長が当時の職場に異動した昨年4月から、12月9日に亡くなるまでの稼働時間は約1920時間だった。

ここから通常の勤務時間を差し引くと「時間外労働は約552時間になる」との嶋村氏の指摘に対し、中川原秀樹町長は「(パソコン電源の)消し忘れ以外に考えられない」と答弁した。嶋村氏が「稼働記録では、パソコンは必ず終了させている」と反論すると、原正美副町長が「例えば(始業時刻の)30分前に出勤すると、(パソコンの稼働記録では)残業になる。そういった積み上げがある」と町長の答弁を補足した。

嶋村氏は「平日でも稼働記録がない日があり、出張や外部の会議だと考えると時間外労働は700時間を超える可能性がある」と主張。外勤時間も含めた係長の労働実態把握のため、《1》緊急の呼び出しとなる営農用水の警報履歴《2》出張命令簿と復命書《3》係長が使用していたスケジュール管理ソフトの記録―など6点を追加で資料請求した。

この問題については、係長の遺族が近く、地方公務員災害補償基金北海道支部へ公務災害の認定を申請する

■ 町と遺族 認識平行線

時間外勤務について、町側と、係長の遺族側の認識の差は埋まらなかった。

係長は当時、農務係と国営推進係の係長を兼務し、営農用水施設の点検・管理や国営土地改良事業調査など、広範囲な農業関連業務を担当。遺族は「土日も仕事に行っていた」「昨年11月ごろから食欲がなくなり不眠も訴えるようになった」と証言する。

しかし町が認めた係長の時間外労働は、3月14日の定例町議会で中川原町長が答弁した112時間。1カ月当たり10時間余りで、この認識は今月13日の一般質問でも変わらなかった。

勤務実態を把握する手がかりとして複数の数字がある。町が4月18日に提出した係長の役場庁舎の入退出記録に基づく約434時間は、町が認識する112時間の4倍近い。このほか今回、町が提出した係長のパソコン稼働時間の記録を基に、議員が算出した時間外労働は約552時間。

ただ、両者の認識は平行線をたどっているのが実情。遺族は公務災害の認定を申請するという。係長の労働実態と自殺との因果関係がつまびらかになるのは、雄武町を離れた場での審査に託されることになりそうだ。




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