メダカのオス、恋敵寄せ付けず…メスの視界妨害

カップルを形成しているメダカのオスは、ライバルとなるオスとメスの間に常に割って入り、メスにライバルを見せないようにしている――。

自然科学研究機構基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の横井佐織研究員(28)らの研究グループはこんな研究結果をまとめ、ドイツの動物学会誌「フロンティアズ イン ズーロジー」の電子版に掲載した。

横井研究員らは、きれいな水にすむメダカは視覚が発達しており、メスからライバルが見えないようにすることで、自分が繁殖相手に選ばれる確率を上げているとしている。

これまでの研究で、「配偶者防衛」と呼ばれるこうした行動は、ライバルとメスが接触しないようにするためと考えられていた。

横井研究員らは、メダカのメスが近くにいる“顔見知り”のオスの求愛を受け入れ、見知らぬオスを拒絶することに着目。透明な仕切りで3区画に分けた水槽を用意し、メス、オス、オスの順に1匹ずつ入れ、1晩置いたところ、メスは近くにいたオスを受け入れ、遠くにいたオスを拒絶する傾向を示した。

一方、遺伝子変異で配偶者防衛のできないオスを近くにいれた場合は、遠くにいたオスの求愛を受け入れたことから、配偶者防衛にはライバルとメスの間の位置をキープすることでメスにライバルを見せず、記憶させない効果があると結論付けた。

また、メスを獲得した勝者のオスを隔離し、負けたオスだけをメスに見せて1晩置き、翌朝3匹を一緒にしたところ、勝者オスがメスに拒絶され、ライバルオスの繁殖成功率は勝者オスを隔離しなかった時と比べて20%上がった。

横井研究員は「配偶者防衛は多くの動物の事例で報告されている。今回の研究結果はオスとメスの間の記憶を通じた絆が形成される過程を明らかにするモデルになると期待される」と話している。




http://www.yomiuri.co.jp/science/20160611-OYT1T50018.html?from=ytop_ylist