県、国に返還11億5000万円 大北森林組合の補助金不正

大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件で、県林務部は7日、国に返還する補助金などが11億5千万円程度になるとの試算を明らかにした。このうち組合などが県を通じ不正受給した国補助金が8億円程度。不正な事務処理の制裁措置に当たる「加算金」が3億5千万円程度になるとみている。加算金は組合などからの返還金とは別に、県が捻出する費用で、県民負担を強いられることになる。

国が今後、県に対し補助金の返還命令を出した場合を想定して試算。10日に費用を盛った補正予算案を決定し、県会6月定例会に提出する方針だ。県は「精査中」などとして積算方法や細かな内訳を明らかにしていない。

関係者によると、返還する補助金分の8億円のうち、6億円については県が組合などに返還を請求済みか請求予定。組合は50年間かけて返還する計画を示している。

1億7千万円分については、組合への請求は時効(5年)が成立しているため、別途、損害賠償請求を検討している。残る3千万円分は、県が不正な森林整備の作業方法を指導したことなどから組合などに請求せず県が負担する。

一連の事件で、県北安曇地方事務所(大町市)林務課職員は不正な作業方法を組合などに指導したほか、現地調査をしていないのに「調査した」と検査書類にうその検査結果を書いた例が多数判明。県は、国が補助金適正化法に基づき、こうした案件に加算金を課す可能性があるとみている。加算金は、補助金を受けた日から返還日まで、年率で10・95%かかる。

阿部守一知事は取材に「(財源の捻出法などについて)対応を検討している」としている。

林野庁は取材に、県に返還金額や加算金の規模は示していないとし、「(試算の数字に)国は関知していない」としている。




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