「こども食堂」開設相次ぐ 静岡県内、孤食改善へ

子供たちに無料や低価格で食事を提供する「こども食堂」が、静岡県内で相次いで誕生している。「子供の貧困」が問題となる中、経済的理由で十分に食べられない子供に栄養バランスの取れた食事を提供したり、子供の孤食を改善したりする目的で、全国的に増えている取り組み。県内でも市民レベルの動きが活発化してきた。

5月下旬、NPO法人ゆめ・まち・ねっとが運営する富士市中央町の「おもしろ荘」。夕方過ぎから子供や若者たちが訪れ、温かいご飯を味わった。「もうすぐ運動会」「この食べ物って何」―。子供と大人が一緒に食卓を囲み会話も弾んだ。

「食事を共にすることで生活習慣など見えやすい部分がある」と強調するのは、2004年から子供の居場所づくりなどに取り組む同NPO法人の渡部達也代表(50)。障害があったり、虐待や不登校など生きづらさを抱えたりする子供にも寄り添い続けてきた。月2回の食堂をスタートして1年余り。「食を通じて“心の貧困”に直面する子供とさらに出会っていければ」と意欲を見せる。

沼津市大岡の主婦杉山真砂美さん(45)もこども食堂を始めた一人。思いに賛同してくれる仲間と、3月と5月に地元の地区センターで開いた。

野菜を無償提供してくれる人も現れ、活動に幅広い年代が関わることで「三世代交流の場になってきた」(杉山さん)。ただ、「いずれは苦しみを抱えた子供らにたどり着きたい」との思いは強く、今後も定期開催を目指す。杉山さんが委員長を務める「最初の一滴子ども食堂プロジェクト推進委員会」は三島市でも7月にこども食堂開催を計画する。

活動が広がりを見せる一方、関係者からは「単なるブームになりつつある」と指摘する声も出ている。渡部代表は「おいしい料理を提供するだけの場所ではない。せっかく運営するなら生きづらさを抱えた子供たちに会う場所であってほしい」と期待する。

<メモ>こども食堂 

子供が一人で利用できて、地域住民が無料や少額で食事を提供する場所。県内では富士市と沼津市以外にも、富士宮市や静岡市葵区、清水区などで、市民団体やフランス料理店などが開催している。こども食堂ネットワーク(東京都)によると、2015年ごろから首都圏で活動が活発になり、16年に入って全国的に広がってきている。「現在は日に日に増えている印象」(担当者)という。




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