<ちびまる子ちゃんランド>中台から観光客続々

アニメ「ちびまる子ちゃん」が海外でも人気を集めている影響で、作品の舞台になっている静岡市清水区(旧清水市)を訪れる中国や台湾からの観光客が増えている。海外のまる子人気にあやかって、市の活性化を図ろうと期待する声も上がっている。

清水を訪れる中国、台湾の観光客に特に人気なのが、エスパルスドリームプラザ(同区入船町)内の「ちびまる子ちゃんランド」。アニメの世界が体験できる国内唯一の常設展示館で、まる子の自宅や小学校の教室、近所の街並みなどが再現されている。

同ランドによると、2005年ごろから台湾の団体客が訪れるようになり、中国人も追随。15年は約12万人だった有料入場者数のうち、海外からの入場者は過去最高の約3万5000人に達した。最近は中国、台湾の入場者がほぼ五分五分だったが、15年は中国と静岡空港を結ぶ定期便が増えたことなどにより中国人が激増。国・地域別では中国が8割、台湾が1・5割、残りは東南アジアだった。

ドリームプラザの市川寛・直営営業課長は「中国、台湾からは、子どもの頃にテレビで見て育った20、30代が多い。『まる子ちゃんに会えてうれしい』と喜んで記念写真を撮っている」と説明する。

台湾は個人客が主流。中国も今後は個人客が増える見通しだ。市川課長は「団体客に比べ、個人客は時間に余裕がある。まる子ちゃん人気をテコに、静岡の体験型旅行商品を発信したい。例えば、富士山をいろいろな所から見たり、茶摘みの体験をしたり、サクラエビの競りを見学することは大都会ではできないこと。地元の魅力を伝えることでリピーターを増やし、地域の活性化につなげたい」と意欲を語る。

静岡鉄道は15年7月から、「ちびまる子ちゃんラッピング電車」を静岡清水線(新静岡−新清水)で運行している。新幹線で静岡駅に来た場合、JR東海道線で清水に行く方が便利だが、ラッピング列車に乗るため新静岡駅まで足を延ばす中国、台湾の観光客も少なくないという。同社には運行時間の問い合わせも寄せられている。

「テレビで見ていたまる子ちゃんの古里を訪れてみたかった。楽しかった」。台湾から旅行で訪れた自営業、紀元(ジー・ユェン)さん(51)、許玉琴(シュ・ユーチン)さん(49)夫妻は、4月25日にちびまる子ちゃんランドを堪能し、翌26日は新静岡駅からラッピング列車に乗り込んだ。車内放送がまる子ちゃんの音声で流れると、「可愛い」と目を細めた。

台湾出身で静岡鉄道マーケティング課に勤める顔嘉容(イェン・カヨウ)さん(32)は 「ちびまる子ちゃんランドだけでなく近隣の観光地にも足を延ばす中国、台湾の観光客が増えている。あちこち見てもらって、市内に泊まってもらえるような工夫をしたい」と話している。

【ことば】ちびまる子ちゃん

清水区出身の漫画家、さくらももこさんの自伝的作品。原作は1986年、少女漫画誌「りぼん」で連載が始まり、テレビアニメは90年からフジテレビ系列でスタートした。昭和40年代の清水を舞台に、小学3年の主人公「まる子」と家族、友人たちとの日常が楽しく、面白く、時に切なく、心温まる作品として描かれている。海外は台湾で94年から、中国で97年からアニメの放映が始まり、現在までに50以上の国や地域で放映されている。




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