中国・天安門事件からあす27年 集会、風刺の弾圧続く

中国で学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から4日で27年。事件の再検証を求める動きが習近平政権批判に結び付かないよう、当局は例年以上に警戒を強めており、事件に関心を持つ市民や関係者への弾圧を続けている。

海外の中国人権サイトなどによると、四川省成都市の男性(30)が五月二十八日、酒瓶に「八酒六四」とラベルを貼ったことで、国家政権転覆扇動容疑で逮捕された。中国語で「酒」と「九」は同じ発音で、天安門事件が起きた一九八九年六月四日を暗示。ラベルには「二十七年貯蔵」「忘れない、あきらめない」とも書かれていた。

国家政権転覆扇動罪は最高で無期懲役。男性は二〇一一年に浙江省で起きた高速鉄道事故をきっかけに社会問題に関心を持ち、地元の人権活動家らと交流していた。この酒ラベルをインターネットで紹介した女性も拘束されたという。

北京では五月三十一日ごろ、事件の追悼集会を開いた民主活動家の趙常青氏ら数人が拘束された。「六月四日を忘れない」と壁に紙を貼り、二十七本のロウソクをともした趙氏らの写真がネットに流れた翌日、警察に拘束された。追悼集会の動きは各地であるが、警察に妨害されたり中止に追い込まれている。

事件で子どもを殺された親の会「天安門の母」発起人の丁子霖さんは今月一日から北京の自宅で軟禁された。当局から携帯電話を渡され、外部とは救急センターなどとしか連絡が取れない。同会は百三十一人の遺族の連名で、事件の真相究明と犠牲者の名誉回復を求める公開書簡を発表。この二十七年間で四十一人の遺族が亡くなり、「他界した遺族の悔いは、正義が広がることを目撃できなかったことだ」と訴えている。

中国政府は天安門事件を「政治風波(騒動)」と呼び、「反革命暴乱」と決め付けている。中国では習近平国家主席の強権的な政治手法に批判が広がり、三月には政府系ニュースサイトに習氏の辞任を求める匿名の公開書簡が掲載された。この時期に共産党政権の「負の歴史」である天安門事件を検証する動きが広がれば、習政権の正統性への疑義にも直結するため、当局は極度に警戒している。




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