全国で急増中? “猫女将”が温泉地で大人気!

とにもかくにも、“猫ブーム”である。書店には、ユニークな猫の写真集がずらりと並び、猫に関する雑貨や文具なども売れている。観光地や飲食店などで客寄せに貢献している看板猫も多いらしい。そんな中、温泉地でおもてなしをしてくれる「猫女将(ねこおかみ)」(ただし、雄もいる)が話題とか。猫女将がいる温泉宿でのんびりしてはいかが?

かわいい洋服を着てお出迎えしてくれるのは、群馬県草津町にある中村屋旅館のりゅう、虎太朗、大和(やまと)。名前から分かる通り、すべて雄である。社長の佐藤弘嗣さんによると、3匹とも人懐っこく、“お手”ができるそうだ。抱っこされたり、なでられたりしてもまったく嫌がらず、愛想がいい。

「初代看板猫」のりゅうは、11歳の高齢なのでおっとりしている。虎太朗は2歳で、食いしん坊の重量級。大和は1歳7カ月なので、まだ甘えん坊。お客さんのひざの上にのって1時間以上も動かないことがある。タオルやぬいぐるみを投げると、キャッチする妙技が大好評らしい。

「温泉はすべて貸し切りで、五つのお風呂が並んでいます。猫が風呂場へ行ってしまうことも」と佐藤社長。3匹とも甘え上手で、お客さんの懐へ飛び込み、かわいがられている。

きょうだいで女将業にいそしむのは、新潟県上越市にある鵜の浜温泉・美味海食汐彩の湯「みかく」のコメ(雌)とココア(雄)。女将・近藤くに子さんによると、「旅館の敷地内にいた野良猫が屋根裏で出産し、姿を消してしまいました。残された子がコメとココア。屋根の上に出て行ってしまい、カラスに狙われていたので、飼うことにしました」とのこと。

コメは牛柄で、狩りが得意らしい。神経質なので、フロントではガラス越しにお客さんをじっと見ている。ココアも黒と白の2色だが、柄はなく、背中側が黒でおなかの方が白い。どっしりとした貫禄がある。お客さんが来るとうれしがって甘える。“甘がみ”が高じて本気でかんでしまうことも。2匹そろって出迎えてくれる姿は、ほっこりする。

「コメとココアは、お客様の目に入るところに、いつもいて、助けてくれます」と近藤さん。2匹は貸し切りの露天風呂に時々出没する。

福島市にある飯坂・穴原温泉おきな旅館のたら子、ビビコ、グレ子、あんこはすべて雌。たら子が母で、ほかの3匹は娘である。女将の金子悦子さんによると、猫女将の親子は、いろいろな役割を務めている。

4匹とも働き者で、ロビーでお出迎えしたり、お客さんにおなかを見せて大歓迎したり、宴会場に並んだスリッパの上に載って温めておくことも。大きな声を出して追いかけてくる子どもだけは、ちょっと苦手らしいが……。

「感心するのはグレ子。うちの宴会部長です。ちょっとふすまを開けて中の様子を拝見し、空気を読みます。『おいで』と言われたら中に入っていって甘えてくる。逆に叱られたら、すぐに退散します」(女将の金子さん)

静岡県伊豆市の土肥温泉の庭園旅館「玉樟園新井」には、新井誠治社長に忠誠を尽くすチャーミングなミーシャ(雌)がいる。最初は旅館に住む調理師が面倒を見ていたが、入院したため社長の家に転がり込んだらしい。1カ月ほど行方不明になり、旅館から500メートルほど離れたところでやせ細って鳴いていたところ、発見された。帰ってきた後は社長にべったり。社長の方も愛情が深まった様子だ。

「気まぐれで、どこにいるかわからないことも多いので、なるべくお客様の目に留まるよう、玄関にお立ち台を作りました」(新井社長)

「猫のいる宿」ということで認知度が高まり、客足増にも貢献するようになった。ミーシャ目当ての客も多い。“猫好き”の客をちゃんと見分けて甘えるちゃっかり者らしい。

お出迎え、宴会の世話、浴場での目配り、お見送りなど……。気働きは板に付いたもの。猫ブームの昨今、温泉の人気を左右するのは美人女将より、猫女将かも。どの旅館でも、ご主人様を助けて、リピーター獲得にひと役買っている様子である。




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