粘らない・赤い…海外の「納豆もどき」排除 農水省、国際規格化提案へ

日本の伝統的な大豆発酵食品「納豆」のブランドを守ろうと、農林水産省は食品の国際規格を作るコーデックス委員会(事務局・ローマ)に対し、納豆の規格策定を求める方針を固めた。納豆の健康効果が注目される中、中国などで“納豆もどき”が流通しているといい、同省は9月にインドで開催予定の同委員会アジア地域調整部会で規格化を提案する見通し。

全国納豆協同組合連合会によると、納豆は中国や韓国などアジア地域で人気が高い。日本からの輸入品だけでなく、現地で生産されたものも流通しており、中には日本の納豆と似て非なるものが「納豆」として売られていたことがあった。

同連合会の松永進専務理事は、「1年ほど前、豆が赤みがかっているものや粘らないものなど、日本人が考える納豆とは違うものが中国などで『納豆』として販売されているのを業者が確認している。レンズ豆を使った納豆の開発も行われていた。規格がないと、納豆とはいえないものが海外で『納豆』として流通する恐れがある」と説明する。

“納豆もどき”の存在に加え、アジア地域には納豆に似た大豆発酵食品が存在する。そうしたものとの差別化を図るため、同連合会は昨秋、納豆を「日本の伝統的な大豆発酵食品。蒸し大豆を納豆菌で発酵させたもので無塩。攪拌(かくはん)によって白濁し、特異の粘性物質が確認できるもの」などと定義した。

松永専務理事は「欧米でも健康食品として注目されている。世界中どこでも同じ品質の納豆が食べられるようにするには規格が不可欠」と訴える。農水省は同連合会の定義に沿った規格策定を求める考えだ。

規格に強制力はないが、貿易上のルールとして、規格通りに製造されたものが輸出入時に「納豆」と表示できる。しかし、提案した国の主張通りにならず、規格が“偽物”にお墨付きを与える結果になることもある。

日本が1998年に「醸造しょうゆ」の規格化を求めた際には、類似品を含めるよう求める国も出てきた。そのため、規格化を取り下げた。経緯に詳しい日本醤油協会は「想定以上にさまざまな“しょうゆ”があった。それらも含めてしまうと日本のしょうゆの良さが打ち出しにくくなる。規格を作るメリットがなかった」と振り返る。

納豆についても、豆を使った発酵食品全般を「納豆」とする規格ができる可能性もある。農水省の担当者は「多くの国から同意が得られるよう準備を進めたい」と話している。

コーデックス委員会 

食品の国際規格を作るための政府間組織。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が消費者の健康保護と食品の公正な貿易を促進することを目的に1963年に設立。180カ国以上が加盟。




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