小泉元首相に単独インタビュー 「トモダチ作戦で被ばくの元米兵 ひどい健康状態」

小泉純一郎元首相は十七日、カールスバッドで、東日本大震災後の米軍の被災地支援「トモダチ作戦」に参加した元米兵らとの面会を終え、本紙の単独インタビューに答えた。福島第一原発事故で被ばくしたとして、東京電力などを提訴した元米兵らについて「われ関せず、は日本人にとって不名誉なこと」と支援の必要性を強調。自ら唱える脱原発の実現に向け「思いを新たにした」と決意を語った。

小泉氏は、元兵士らとの面会を決意した理由について「話を聞いて放っておけないと思った。自分が訪米することで日本国民に実態を知ってもらえれば」と話した。元兵士らの健康状態は「腫瘍ができたり、鼻血が出たりひどい状況だ」と懸念を示した。

さらに「元兵士たちは医療費の負担が重い。日本人のトモダチ作戦に対する敬意と感謝の気持ちを、どう形にするかが大事だ」と資金面での支援を検討する考えを表明。「自分一人の力はわずかなものだ。米国で活動している日本企業は黙っていられないだろう」と経済界に幅広く呼び掛けることも明らかにした。

脱原発の必要性にも触れ「(実現には)国民の意識の変化が重要。それが政治を動かす」と民意に訴える姿勢を強調。今後、講演活動などで脱原発、元米兵への支援をセットで主張していく、とした。

一方、今月下旬に広島を訪問するオバマ米大統領が目指す核兵器なき世界に対しては「核廃絶は核大国の責任だが、安全保障が関係してくるから、原発をゼロにすることより難しい」との見解を示した。

小泉氏は十五日から三日間の日程で、元米兵やその家族ら約十人と面会。十七日には記者会見して「元米兵らの実態を日米両国民に知ってほしい」などと呼び掛けた。

<トモダチ作戦> 

東日本大震災後、米艦隊が東北沖に派遣され支援物資の輸送などをした救援活動。主力の原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員8人が2012年12月、放射性物質の危険が正しく伝えられなかったとして、東京電力などに損害賠償を求めて米カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁に提訴。原告弁護士によると、これまでに白血病などで7人が死亡し、原告は約400人に増えた。




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