三菱自に続きスズキも不正 「ケチケチ戦略」裏目…自動車業界、揺らぐ信頼

燃費データ取得時の不正な測定問題が自動車業界で広がりを見せ始めた。すでに不正が明らかになっている三菱自動車に続き、これまで問題がないとしてきたスズキも一転、18日に不正を公表したからだ。ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れ問題で、不正に対し世界的に厳しい視線が注がれる中、一連の燃費不正問題により日本の自動車産業の信頼も低下しかねない。

◆「ケチケチ戦略」裏目

「(現時点では燃費不正の問題は)ない」。スズキの鈴木修会長は10日の決算会見で燃費不正の存在を否定した。だが、それから、わずか1週間余りで謝罪会見に追い込まれた。

今回、スズキが不正を行ったのは「同社の社風が関係している」(アナリスト)との指摘がある。スズキの経営の真骨頂はコストを徹底的に削る「ケチケチ戦略」。それが裏目に出て不正を招いたとの見方だ。実際、今回の問題は試験コースに防風壁がなく、風で試験データが安定しなかったことに要因があり、鈴木会長も「防風壁の投資に至らなかった点は反省している」と認めた。わずかな投資を渋ったばかりに、消費者の信頼を損ねる事態に発展したというわけだ。

◆VWは販売2%減

不正問題が経営に与える影響は甚大だ。ブランドイメージの低下は販売を直撃する。排ガス不正に揺れたVWの2015年の世界販売は前年比2%減と、13年ぶりに前年実績を割り込んだ。軽自動車4車種で燃費データ改竄(かいざん)問題などが発覚した三菱自は4月の軽の国内販売が前年同月比約45%も減った。

スズキは今回の不正な燃費測定問題が業績に与える影響は「現時点ではない」としている。対象車の燃費値に変更がないため保有者へのガソリン代の差額分などの補償がなく、新車販売も続けられるとみているためだ。ただ、今回の問題が引き金となり消費者離れが進めば販売への影響は避けられない。鈴木会長は再発防止に向け「風通しのいい組織にしないといけない」と言い切った。その言葉通りに組織を変えなければ、真の信頼回復は難しい。




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