ロシア、経済紙幹部ら一斉退社 プーチン氏関連報道で圧力か

ロシアのプーチン政権をめぐる調査報道で知られる有力経済紙を含む大手メディアグループRBCの編集幹部三人が十三日、一斉に退社した。RBCを保有するロシア有数の富豪ミハイル・プロホロフ氏が政権からの圧力を受け、編集方針を転換した可能性が高い。独立系メディア関係者の間では、報道の自由のさらなる後退が懸念されている。

ロイター通信やロシアメディアによると、独自報道を主導していたRBC紙のソリュス編集長が解任され退社。これに抗議して新聞や通信の編集を統括するオセチンスカヤ編集局長やRBC通信のバターニン編集局長も退社した。

RBC紙はロシアメディアでタブー視されているプーチン大統領の家族に関する情報や、側近の蓄財疑惑に切り込む報道を展開。プーチン氏の義理の息子の資産問題なども報道し、最近では「パナマ文書」で明らかになったプーチン氏の親友らによる資産隠し疑惑を伝えた。

十一日には、「プーチン宮殿」と呼ばれるロシア南部ソチの近くにある豪邸の管理会社が、豪邸に面する黒海の周辺海域を管理する権利を獲得した不透明な契約をネット上で暴露。ロイターは、この記事が最終的な引き金となりプロホロフ氏にプーチン政権から強い圧力が加えられたと指摘した。

プロホロフ氏の運営するRBCの親会社である投資ファンド「オネクシム・グループ」は最近、連邦保安局の家宅捜索を受けた。グループ存続と引き換えにRBCの方針転換を受け入れた可能性が高い。ペスコフ大統領報道官は十三日、政権が圧力をかけたとの見方を否定した。

一方、最近の世論調査では報道の自由への国民の関心は低い。経済制裁や原油安で経済の苦境が続く中で、独立系メディアへの政権や保守層からの攻撃がさらに激化する恐れもある。




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