滞在費払わされ取材はNG 北朝鮮に踊らされる日本メディア

36年ぶりに開かれた北朝鮮の朝鮮労働党大会を報じるため、海外メディアが平壌に押しかけている。現地入りした報道陣は10カ国を数え、総勢120人以上。ところが、肝心の党大会は肩透かしで、金正恩第1書記による活動報告が注目された初日6日は取材NG。滞在費をむしり取られ、いいように扱われている。

党大会は6日午前9時半ごろ開会。閉め出された報道陣は会場の「4.25文化会館」から100メートル以上離れた場所から外観だけを撮影。その後は、金日成主席と金正日総書記が現地指導した「3・26電線工場」を案内されたという。党大会とは全く関係のない施設だ。コリア・レポート編集長の辺真一氏はこう言う。

「詐欺に遭ったようなものです。メディアは抗議するなり、ボイコットするなり、毅然とした態度を取るべきだった。このままでは北朝鮮の宣伝につき合わされ、利用されるだけです」

それにしても、招き入れておきながら、取材制限する意図は何なのか。デイリーNK東京支局長の高英起氏はこう言う。

「党大会の本来の目的は、成果や目標を公式に報告する場ですが、金正恩には何もない。だから、海外メディアの現場取材を許さなかったのでしょう。国内的に自分の権威を高め、父親の金正日の存在を乗り越えたいがためだけの開催なんです」

飢餓に苦しむ国民をよそに、核兵器開発に熱中する異常な国とはいえ、踊らされるメディアもメディアだ。日本からはNHKをはじめ、テレビ各局や全国紙などが訪朝している。会期3~4日間の党大会に合わせて前乗りし、1週間ほど滞在するスケジュールだ。費用もバカにならない。

「この時期の羽田―平壌間の往復航空運賃は、エコノミークラスでも13万円程度。中国の北京経由で北朝鮮国営の高麗航空に乗り継ぐのが一般的なルートです」(旅行代理店関係者)

その上、北朝鮮当局に支払う滞在費は言い値だ。自由に移動できないし、宿泊ホテルも指定。報道陣には政府関係者が張り付き、常に監視される。

「1週間の旅行でも現地費用に30万円ほど請求される。メディアに対しては足元を見て、さらに吹っかける。当局提供の映像使用にも利用料がかかり、そういったオプションが積み上がって、滞在費はどんどん膨らんでいきます」(半島事情通)

この間、海外メディアが取材したのは祝賀行事のリハーサルや工場、高層マンションで暮らす“模範家庭”くらいのもの。外貨獲得に必死な北朝鮮にとっては、いい小遣い稼ぎだ。




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