<保育園>住民反対で建設断念、佐倉や我孫子でも 松戸は駅ビル活用奏功 /千葉

市川市で今月、開園予定だった保育園が「子供の声でうるさくなる」などと近隣住民に反対され、建設を断念していたことが明らかになった。同様のケースは、佐倉市や我孫子市でもあったという。一方、住宅地に新設せず、ビルの空き店舗を活用している自治体もある。待機児童解消が大きな課題となる中、行政や事業者はどう対応すればよいのか。専門家は「まちづくりの視点も踏まえ、住民と丁寧に話し合うことが大切だ」と指摘している。

「子供の大きい声が出ると思うが、どんな対応を考えているのか」「送迎の車で交通量が増えるので危ない」

昨年11月、佐倉市西志津地区であった保育園(定員100人)開園についての説明会。市と、事業主体の首都圏の社会福祉法人が開園に理解を求めたのに対し、予定地近隣の住民から反対意見が相次いだ。土地は民有地を借りる予定だったが、説明会後に地権者から「お貸しできなくなった」と断られ、計画を断念。市の担当者は「近隣住民との協議に入ろうとしていた矢先だったので残念だ」と話す。市と法人は現在、別の場所での開園を目指して検討を進めている。

我孫子市でも昨年、県内の社会福祉法人が同市天王台地区での保育園(定員約120人)建設を断念した。市からの補助金(約1億9000万円)交付が決まり、昨年4月に予定地に建設計画を示す看板を設置した。同5〜6月には住民の求めで説明会も2回開催し、防音壁や二重窓を設置すると説明したが、住民側からは「静かな環境を変えてほしくない」などと反対された。

その後、市は「住民への事前説明」を条件に、同地区で保育園開設を希望する事業者を公募したところ、二つの事業者が名乗りを上げた。両事業者は予定地周辺の住民への戸別訪問を重ねて計画に対する理解を求めた。現在までに住民の反対はないといい、市保育課は「今後、開園を希望する事業者には住民の意向をリサーチするよう指導したい」としている。

一方、住宅地などに新たな用地を確保して施設を建設することはせず、既存の施設を活用している例もある。

松戸市は0〜2歳児を19人まで預かる小規模保育事業所の開設に力を注ぐ。昨年4月時の8カ所(定員115人)から1年間で31カ所(同485人)まで増やし、今月1日時点で待機児童ゼロを達成した。設置場所の多くが駅近くのビル内で、通勤や帰宅時に送迎しやすく人気だ。1日にオープンした新京成・元山駅の駅舎内の「保育ルーム」の利用者は「改札口がすぐそこなので便利」と話す。市は今年度中に新たに20の小規模保育事業所を駅舎内や駅周辺などに整備する計画だ。

◇船橋、待機児童1/3以下に

今年4月1日時点の船橋市の待機児童数が、1年前の3分の1以下の203人にまで減少したことがわかった。昨年4月1日時点では全国の市区町村で2番目に多い625人だったが、17施設の新設で定員が計1015人増加したことなどにより、待機児童の解消が進んだとみられる。市内では6月までに新たに2施設が開設される予定で、今年度は新たに計1053人の枠を確保できる見通し。

市によると、市内では今月、認可保育園8園(定員計706人)▽認定こども園2園(同188人)▽小規模保育事業所7園(同121人)−−が開設された。また、6月までに認可保育園と小規模保育事業所各1園(同38人)が開設される。

松戸徹市長は記者会見で「可能な限り早く待機児童をゼロにしたい」と表明。市川市で住民の反対により保育園開設を断念したことについては、一般論としたうえで「子どもを支えるために大人たちが理解してあげることが大切だ」と指摘した。




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