子供の貧困連鎖断ち切れ 静岡県、新年度から勉強合宿や「こども食堂」

子供の貧困の連鎖を止めようと、県が子供の貧困対策に本格的に乗り出した。新年度から、経済的に厳しく塾に通えない家庭の子供たちを集めて、“勉強合宿”を行うほか、食事が満足にとれない子供のための「こども食堂」を、湖西市など県内3カ所でモデル的に実施する。

◆5年間で1.8倍増

県の子どもの貧困対策計画によると、県内の生活保護世帯の子供は3587人(平成25年度)で、5年間で1・8倍に増えた。就学援助を受けている子供は1万9265人(同年度)で、少しずつ増えている。

本県の生活保護世帯の児童生徒は、高校進学率と高卒後の就職率が全国平均を上回る半面、大学進学率は20・6%と全国平均より10ポイント以上低い。貧困家庭では、親も同様の環境で育ち、高等教育を受けていないケースが少なくない。このため、貧困の世代間連鎖を断ち切る対策が急務となっている。

貧困家庭の子供たちはほぼ塾には通えないため、学校以外の勉学の場を提供しようと、県は新年度から貧困家庭の小中学生を対象に“勉強合宿”を実施する。夏休みや冬休み中に4泊5日程度で、年2回実施する。

◆一時的に親元離れ

公共の宿泊施設を使って児童生徒に勉強を教えることで、学習意欲を引き出し進学への意識を高めることを目指す。こういった子供たちは親が深夜まで帰宅しなかったり、家庭に子供の居場所がないなど、家庭環境に問題を抱えていることが多い。このため、一時的に親元を離れることで生活環境を改善し、似たような境遇にある同世代の児童生徒と悩みを分かち合って交流を深めることも目的とする。

◆大学進学率向上へ

さらに、家庭で夕食をとることが困難な子供たちに食事を提供し、学童保育終了後の居場所をつくることを目的に、「こども食堂」の運営を始める。新年度には、湖西市など県内3カ所でモデル事業として実施。当面は週2回、1回3時間程度の開設を予定しており、「29年度以降は県内全体に広げていきたい」(県こども家庭課)という。こども食堂では、大学生や教員OBのボランティアによる学習指導や、インターネット授業を利用した学習も同時に行うことを検討している。

同課では「食事の提供そのものよりも、誰かと話をしながら食事ができる場所をつくることが重要だと考える。生活環境を改善することで、将来的には大学進学率の向上につなげたい」と貧困家庭の子供たちへの支援を強化する考えだ。




http://www.sankei.com/politics/news/160326/plt1603260018-n1.html