「お布施の値段」はいくらくらいなのか ネット依頼だと半額から3分の1になる

何となく心積もりをしていても、いざとなると戸惑ってしまう葬儀の際の出費。特に、「お気持ち」で僧侶に渡すお布施には基準がなく、お布施の額が大きいと葬儀費用全体が跳ね上がることになる。そこで、「お布施の値段」について考えてみる。

◆読経料と戒名料

葬儀の際のお布施は大きく、「読経料」と「戒名料」に分けられる。僧侶に渡すときには、それが読経料なのか、戒名料なのか、あるいは両方含めた額なのかを確認しておかないと、あとで「読経料が払われていない」といったトラブルになる可能性もある。

最近では、多少分かりやすくするために、「読経料と戒名料を合わせた金額」をお布施、あるいは「寺院費」と呼ぶことが多いようだ。

お布施は葬儀社が提示する葬儀費用の見積もりには含まれていないことが一般的。建前としては、商取引ではなくて、気持ちを表す宗教行為とされているからだ。だから金額は遺族と僧侶が話し合って、あるいは阿吽(あうん)の呼吸で決めることになる。

◆院号で100万円超

そうはいっても、僧侶から「お気持ちで」としか言われなかったら困る。そこで、葬儀の際のお布施の相場を、日本消費者協会の調査や、多くの葬儀社などがインターネット上で公開している額を目安にざっくりとまとめてみた。すると、大きく4つのポイントがあることが分かった。

まず、お釈迦様は平等を説かれなかったのか、戒名のランクによって差があるという点。

男性の場合だと「院居士(いんこじ)」、女性の場合だと「院大姉(いんだいし)」といった戒名(院号と呼ばれることが多い)をつけると、通常の葬儀では100万円以上のお布施を包まなくてはいけない。お寺によっては「300万円をいただいても、院号はつけない」「最低でも1千万円以上は…」というところもあるようだ。

院号は本来、寺院の建立や寺領を寄進した大名などに与えられた戒名とされる。お金さえ積めば庶民でも院号をもらえる時代になったと喜ぶべきなのか…。

◆宗派によって違い

2つ目のポイントは、宗派によって差があるという点だ。集めた情報のなかでは、若干ではあるが浄土真宗が安めだった。

ちなみに、日蓮宗は戒名と言わずに「法号」、浄土真宗では「法名」と呼んでいる。

3つ目は、長い付き合いのある寺の住職にお願いした場合と、インターネットなどの僧侶紹介を利用した場合では、大きく金額が変わってくるという点。調べた限りでは、紹介のほうが明らかに安く半額以下だ。30万円もあれば院号をもらえるケースもある。

ただ、この場合は戒名をもらったとしても、その後の供養を依頼する菩提(ぼだい)寺を探す手間が生じる可能性がある。また、葬儀を挙げてもらった僧侶が、どこのどんな人なのか分からないままというケースも考えられる。「宗教性」という意味では、ありがたみは少ないのかもしれない。

紹介される僧侶のなかには、僧侶の資格だけを持って自坊を持たない人や、本来の寺のお勤めの副業として仕事を受けている人もいる。そういう僧侶たちにとっては、紹介先でもらったお布施から、寺の維持管理費を捻出する必要がない点などが、安さの理由になっているとされる。

葬儀でのお布施に関する4つ目のポイントは、「例外」の存在だ。

寺によっては、檀家(だんか)であれば、あるいは檀家になる人には「読経の費用だけをもらえれば戒名は無料でつける」というところが少なからず存在する。「院号を無料でつけさせていただく」という寺もある。既存の宗派に所属しない寺が檀家を増やすために、独自に安い戒名価格を設定しているケースもあるようだ。




http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-lif1603250013.html