中国人ジャーナリストら5人失踪 習氏辞任要求書簡に関与か

北京と香港を中心に活動するジャーナリスト、賈葭氏(35)ら中国人メディア関係者5人が今月中旬以降、相次いで失踪したことが注目を集めている。今月初め、インターネットで出回った習近平国家主席に中国共産党総書記職からの辞任を求める公開書簡への関与が疑われ、治安当局に連行された可能性がある。昨年末には香港の書店関係者5人が失踪する騒ぎが起きたばかりで、知識人の間で不安が広がっている。

北京のメディア関係者によると、賈氏は香港の大学で講演するため15日に北京空港に向かった。午後8時ごろ、「検査を通過した。これから飛行機に乗る」と妻に電話があったが、飛行機が香港の空港に到着しても賈氏は姿を見せず、連絡が取れなくなった。家族と知人らが北京市の公安当局などに問い合わせたが、居場所はつかめなかった。

20日夜、賈氏の弁護士だと自称する人物がネット上に「賈氏はある事件で警察の調査に協力している」と投稿した。真偽は不明だ。

また、賈氏の友人で、昨年秋に発足したニュースサイト「無界新聞ネット」の欧陽洪亮社長、黄志傑編集長、それに2人の編集スタッフが同時期に連絡が取れなくなった。当局に拘束された可能性がある。

無界新聞ネットは今月初め、習氏の辞任を求める公開書簡を数時間、ネット上に掲載して大きな波紋を広げた。「忠誠なる共産党員」との署名がある書簡は経済低迷、言論弾圧、個人崇拝の推進などを挙げ、「習氏には中国を未来に導く能力がない」と指摘、共産党総書記ポストからの辞任を求めた。掲載直後、賈氏が欧陽氏に「調査を受ける可能性がある」として削除を促したことを治安当局が把握したとされ、賈氏の関与が疑われたという。

賈氏は香港や台湾の文化などを紹介するコラムを多く発表しており、大学生ら若者の間で影響力が高いが、政治を直接論評することは少ない。賈氏をよく知る雑誌の編集者は「文体が全く違うため、公開書簡の作者は賈氏ではないはずだ」と話している。

中国外務省の華春瑩報道官は21日の記者会見で、賈氏の拘束容疑に関する質問に「毎日多くのことが発生している。個別の事案ではなく、もっと報道すべき、関心を持つべきことが多くあると思う」と応じた。




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