動物保護センター改築に暗雲

県動物保護センター(平塚市)の建て替えに向けた寄付金の募集に暗雲が漂っている。県は「一人でも多くの人に動物愛護の精神を広めるため」として建設費11億円を全額寄付で賄う方針だが、今月4日までに集まった額は約3700万円にとどまり、2015年度の目標額の4割に満たない。一方で寄付を呼び掛けるなどのPR関連費は計1605万円に上っており、議会からは疑問の声も出ている。

同センターが14年度に収容した犬と猫の殺処分ゼロを達成したことを契機に、県は「生かすための施設」として建て替える方針を打ち出した。新センターは殺処分室や焼却炉を廃止し、譲渡ボランティアなどが使えるスペースを設ける。県は19年度のオープンを目指して、昨年7月に寄付の受け付けを開始。掲げた目標額は15年度1億円、16年度3億円となっている。

県食品衛生課によると、3月4日時点の寄付は1853件、3728万円。その一方で寄付を募るためのコストはかさみ、リーフレット作成費に53万円、著名人や知事自身も出演して動物愛護を呼び掛けた動画作成に151万円、県広報紙の特集号に1234万円などが費やされた。関連費を寄付額から差し引くと約2120万円に目減りする。

こうした実情に、県議会厚生常任委員会では「15年度が目標額を達成しないのに、16年度はさらに大きな額を集めるという姿勢は柔軟性に欠ける。いずれ軌道修正して公金を投入しなければならないのでは」(民主党・かながわクラブ、寺崎雄介氏)=相模原市中央区、「24時間態勢で面倒を見ないといけない子猫の殺処分ゼロは難しいと聞く。ゼロ方針が一人歩きし、プレッシャーになっていないか」(自民党、田中信次氏)=横浜市泉区=といった指摘が相次いだ。

10日の予算委員会でも、自民党の敷田博昭氏(横浜市都筑区)が「財政問題と連動していないならば県費で建てるべき。(狂犬病予防法による)必置施設でもあり、寄付はなじまない」とあらためて指摘。知事は「11億円を集めるプロセスが大事。神奈川の誇るべき動物愛護の精神を広めながら募金したい。キャンペーンは始まったばかりで論じるのは早過ぎる」と反論した。

県は16年度当初予算案で譲渡に取り組んでいるボランティアなどへの活動費補助887万円を計上している。




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