奨学金で保育士増やす 入社すれば返済不要 保育所運営最大手が来月から

保育所運営最大手のJPホールディングス(名古屋市)は四月から、保育士志望の学生を対象に、同社への入社を条件に、最大百二十万円の奨学金を給付する制度を始める。深刻化する保育士不足対策の一環で、養成課程のある短大や専門学校との提携を進め人材確保を図る。待機児童問題が国会論戦の焦点になる中、保育士の待遇改善に向けた一歩として注目されそうだ。 

短大の年間学費の半分程度に当たる年六十万円を最長二年間給付し、返還の必要はない。学生向け奨学金は月十数万程度までの貸与型が多い中で、異例の給付額。荻田和宏社長は、保育士採用には今でも巨額の経費がかかっていると指摘し、採用増につなげるため「できれば年間百人ぐらいに給付したい」と話している。

提携する短大や専門学校から候補者の推薦を受け、面談の上、決定する。提携先は現段階で日本児童教育専門学校(東京)だけだが、今後、全国に広げる。

「保育園落ちた」の匿名ブログをきっかけに注目を集める待機児童問題では、根本原因として、保育士の待遇の悪さによる人手不足が挙げられる。

JPホールディングスは二〇一五年度、十七保育園を全国で新たに開所。しかし保育士の採用が追いつかず、施設で収容可能な園児数の約85%しか受け入れていない。同社は昨春、保育士を含めた正社員の基本給を平均で月約二万円引き上げ、人材引き留めを図っている。

<JPホールディングス> 

1993年に前身の法人が設立。2000年に企業内託児所事業に踏みだし、01年に埼玉県で保育所を開設したのを手始めに15年12月末時点で首都圏を中心に159園(認可外も含む)を運営。グループ従業員数は約2000人で、約1万5000人の園児を預かる。




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