<宿泊予約サイト>温かさと趣、厳選の遍路宿 高松出身の佐藤さん、開設へ /香川

四国遍路の魅力を知って東京からUターンした高松出身の元会社員、佐藤崇裕さん(35)が今年1月、お遍路をビジネスチャンスと捉え、四国専門旅行会社「四国遍路」(三木町池戸)を設立した。今月中に、お遍路さん向けの宿泊予約サイト「お遍路さん家(ち)」を運営開始する予定。「人との出会い」や「地域色」など、独自性ある宿を厳選して紹介する。

父方と母方の祖父がともに会社の創業者だった佐藤さん。県立高松高から早稲田大へ進学し、大手スポーツメーカーで7年半、ベンチャー企業で約4年半勤めた。「いつかは自分も」との思いを温めながら、会社で営業や企画、中小企業の経営などを学んできた。

本格的に起業準備しようと34歳で退職。空いた時間を利用し、興味のあった四国八十八カ所を巡る歩き遍路に挑戦した。海一つとっても四国内で表情ががらりと違う豊かな自然、土地ごとの食べ物、もらった数の知れないミカン、今も根付くお接待文化、お遍路さん同士の交流……。41日間かけて歩く中で、数々の魅力を知った。同時に、宿泊施設の情報と予約手段が少ないことにも気付いた。「これはビジネスチャンスになる」と、昨秋、旅行業の資格を取得した。

開設するサイト「お遍路さん家」では、一般のホテルでは味わえない趣や温かみのある遍路宿やゲストハウス、民宿を紹介。価格は1泊3000〜5000円程度で、スマートフォンなどから予約可能。宿のオーナーとの距離が近い▽交流スペースがある▽地元の人を招いたイベントがある▽清潔−−などの点を重視し、佐藤さんが実際に自分の目で確認している。

このため、現在の登録施設件数は、観光に詳しいもてなし上手の先達が経営するゲストハウスや、元は職人の下宿だった築約60年のアパートをモダンな日本風に改装したゲストハウスなど、高松を中心とした県内の個性的な約10件。質を重視しながら徐々に増やし、3年目に四国全体で200件を目指すという。今後、観光ガイドや民泊の予約サービスも追加する予定だ。また、四国遍路の新しい楽しみ方を自転車関連や先達などさまざまな立場のライターに提案してもらう総合情報サイトも運営している。

現在、17年ぶりに香川で暮らす佐藤さん。お接待する人や遍路のNPO関係者らに高齢者が多く、文化の伝承に一抹の不安を感じることも。だからこそ「お遍路さんにとって特別な体験になるような宿にこだわって紹介したいし、若い人にもたくさん四国遍路を回ってほしい」。新ビジネスを、遍路の抱える課題の解決にも結びつけたい考えだ。




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