新幹線開業前に仲居さん不足 函館の旅館悲鳴

北海道新幹線開業を前に、函館市内のホテルや旅館が人手不足に直面している。洗練された接客マナーが求められる旅館の仲居の不足は特に深刻。開業日前後は多くのホテル・旅館が予約でほぼ満室だが、従業員不足から一部の予約を断る旅館も出ている。各施設とも従業員の募集は行っているが、なかなか人は集まらず、対策を急いでいる。人口減少に加え、通年雇用されるケースが少ないホテル・旅館業を敬遠する求職者が多いという構造的な問題も背景にあるようだ。

「仲居さんが少ないと、混んだ時に満足のいくサービスができなくなるのでは」。函館市の湯の川温泉の割烹(かっぽう)旅館若松の中沢美樹社長は気をもむ。

開業日前後は予約で24室はほぼ満室。だが、客室に夕食を運ぶ仲居が足りず、人気のプラン「夕食付きの部屋」は半分の12室までで締め切った。4年前からホームページで求人を行い、今も5人を募集中だが反応がほとんどない。

同じ湯の川温泉の旅館の竹葉新葉亭も仲居不足のため、全41室のうち約8割しか稼働できない状態。2年前から求人雑誌や広告で数人募集しているものの、昨年から問い合わせがないという。大桃誠社長は「中居さんはお客さまと一番近くで接する仕事。やりがいは大きい」と仕事の魅力をアピールする。

JR函館駅近くのHAKODATE男爵倶楽部ホテル&リゾーツ(52室)は、開業に向けて客室清掃員を約5人募集中だが、斉藤将嗣総支配人によると「ホテル間で人材の取り合いになっている」という。西部地区のウイニングホテル函館(29室)は、開業日前後に施設内にある北島三郎記念館から3人程度をホテル部門へ移す予定だ。

ホテル・旅館業界の人手不足の要因について、函館ホテル旅館協同組合の遠藤浩司理事長は、道南の人口減少に加え、「観光客が多い春から秋までは雇用されるが、閑散期の冬場は雇用されないことが多いホテル・旅館業界を、働く側が避けている」と指摘。「北海道新幹線開業後に通年で多くの観光客が訪れ、各施設の経営が良くなり従業員の待遇も上がる好循環ができれば、労働力不足も解消するのでは」と新幹線効果に期待を寄せる。




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