別の医師4人に金、接待 名城病院汚職

国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者の紹介をめぐる汚職事件で、贈賄罪で起訴された医療法人「光寿会」(同市西区)を実質経営する医師多和田英夫被告(64)が、他の国公立医療機関の医師四人に対しても「患者を紹介してもらう見返りや先行投資のため、資金提供や飲食接待をした」との趣旨を捜査当局に供述していたことが、関係者への取材で分かった。

いずれの医療機関も光寿会側に転院患者の紹介をしているが、名前の挙がった医師のうち三人は取材に、便宜を図ったことや賄賂の趣旨を否定し、一人は「ノーコメント」としている。多和田被告と、収賄罪で起訴された名城病院医長だった赤沢貴洋(きよひろ)被告(41)の初公判は二十三日、名古屋地裁で開かれる。

関係者によると、四人の医師はそれぞれ国立系や公立の病院に勤務。みなし公務員に当たる赤沢被告と同様、職務権限を行使する見返りに金銭受け取りなどは禁じられている。

多和田被告側は、国立系病院に現在勤める男性医師に対し、当時研究者だった二〇〇九年ごろまで二年余りの米国留学中、光寿会職員の肩書を与え、給料名目で毎月数十万円を支払っていたとされる。一四年は飲食接待をしていた。

また、別の国立系病院の男性医師には、光寿会傘下の診療所で十年ほど前から週一回のペースで非常勤医師として勤務してもらっていた。月々の給与のほかに、「ボーナス」名目で百万円程度の金銭を複数回、渡していたとされる。

公立病院の男性医師には数回、飲食接待をしたとされる。同病院の同僚ら数人も同席し、費用は多和田被告側が負担したという。

多和田被告は、各医師に患者を紹介してもらう見返りや、今後の紹介を期待する意図があったとの趣旨を供述しているもようだ。

本紙の取材に、これら三医師は資金提供や飲食接待をおおむね認めつつ、「多和田被告から見返りを求められたことは一切ない」などと賄賂性を否定した。

多和田被告は国立系病院の別の男性医師にも複数回、接待をしたとされるが、この医師は取材に「ノーコメント」と回答した。

多和田被告は光寿会の関係者を通じ「取材には答えられない」としている。




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