期限切れ食品で節約 カレーやシチューは具なし【ここにいるよ 沖縄 子どもの貧困】

食卓に上るのは、ふりかけをかけただけのご飯が基本。おかずはない。カレーやシチューは具なし-。

離島の県営団地で暮らすナミ(39)と高校2年、小学2年の娘たちの食生活だ。母子3人は現在、子どものいる世帯に支給される、月当たり、8万9250円の手当だけで生計を立てている。

ナミは30歳のころ、重い腰の病気で手術を受け、後遺症が残って、長時間歩いたり、座ったりするのが困難になった。次女には発達障がいがあり、1人にするとどこに行くか分からず、目が離せない。そのこともあって、ナミは働くことができない。

中学生までの子どもを育てる親に支給される「児童手当」、所得の低いひとり親世帯に支給される「児童扶養手当」、障がいのある子を育てる親に支給される「特別児童扶養手当」が生活を支えている。

特別児童扶養手当は申請しなければ支給されない。ナミがこの手当を知ったのは遅く、昨年3月までは、これを除く二つで、わずか5万6千円だった。

役所に勤める知人からは、生活保護の申請も勧められた。しかし、受給するためには、自家用車を処分しなければならない。次女は発達障がいのほか、ぜんそくの持病もあり、発作が起きたら、頻繁に通院が必要になる。ナミ自身の通院や、長女の部活動の送迎などもあり、車は生活に欠かせない。島内はバスの本数も少ない。車を手放すことはできず、保護の受給を諦めた。

家族3人が9万円弱で暮らしていくのは簡単ではなく、節約生活を徹底している。

近所や友人から、賞味期限切れの缶詰やレトルト食品があると聞くと、喜んで譲り受ける。「食べられるかどうかは自分の鼻と舌で判断する」とナミ。

米は4カ月に1度、送料の要らない会社を選んで、30キロ分をインターネットで購入する。

たまに、カレーに缶詰のコーンや野菜などの具が入ると、子どもたちから「お母さん、きょうは何かあったの」と言われる。

光熱費を毎月支払う余裕はなく、ライフラインが止められないギリギリのタイミングを見計らって、まとめて支払う。

子どもたちは毎日風呂に入れるが、水道代を節約するため、ナミが頭を洗うのは3日に1度だ。

子どもたちの服はほとんどよそからのお下がり。長女は、ナミが10代のときに着ていたトレーナーを愛用している。おしゃれしたい盛りだろうが、「着れればいいし」と、愚痴一つ言わない。

「ずっと貧困の流れできた」。ナミ自身、貧困家庭で育った。家計を支えるため、社会に出て働き始めたのは、中学卒業後、まだ15歳のときだった。(文中仮名)




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