成犬にも第2のチャンスを 飼い主探し難航…県が専用施設

県内で保護された捨て犬や野良犬のうち、子犬よりも新たな引き取り手が見つかりづらい成犬を救うため、県が成犬の飼育展示を通した飼い主探しに力を入れている。成犬の譲渡に特化した施設を持つ都道府県は全国でも珍しいといい、担当者は「成長後の体の大きさや性格が事前に分かるのが成犬の魅力。彼らに第二のチャンスを与えてほしい」と願う。 

「きれいになって、かわいがってもらおうね」

動物の保護や感染症予防を担う「県動物愛護指導センター」(宇都宮市)の成犬用施設「ドッグルーム」で、女性職員が中型犬にシャンプーをしながら優しく声をかけた。

犬は一月上旬、佐野市で保護された雑種。センターのホームページ(HP)に写真を載せたが、元の飼い主は現れなかった。健康で人懐こく、今月上旬に新しい飼い主に引き取られた。

昨年六月に整備されたドッグルームでは、家庭で飼育できると判断された犬たちが暮らす。最大六頭を受け入れ可能で、来場者が犬を見学することもできる。

設置の背景には、子犬より成犬の方が飼い主探しが難航し、殺処分につながりやすいという現状がある。

センターでは以前から、保護した子犬を来場者から見える場所で一定期間、飼育し、新たな飼い主に譲渡する場も毎月設けている。ただ、保護されたのが成犬の場合は、事情が異なる。

「成犬は、元の飼い主が犬の行方を探している場合がある。新たな譲渡先を探す前に、うちで保護していることをHPで伝えなければいけない」と、普及指導課の岡村好則課長は話す。

二〇一四年に新たな飼い主に譲り渡された犬は、子犬の四百七十五頭に対し、成犬は二百六十六頭にとどまった。殺処分数は子犬が五十七頭だった一方、成犬はその六倍超に当たる三百五十四頭だった。

こうした課題を受けて設置されたドッグルームでは、十二日までに約四十頭が飼われ、全て引き取られた。岡村課長は「成犬は犬との相性を見極めたい人や高齢者に向く」としつつ、「ここに入る犬は本来いない方がいい。殺処分ゼロは飼い主やその家族、地域を含む社会全体でなければ実現できないと知って」と呼び掛けた。




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