<違法派遣>岩手県が事実関係把握し放置か

東日本大震災の復旧工事で、小野新建設(岩手県岩泉町)が仙台市青葉区の建設会社から法律で禁じられた建設作業員の派遣を受けていた疑いがある問題で、発注者の岩手県が2015年7月までに事実関係を把握していた可能性があることが5日、分かった。違法派遣を知りつつ放置した疑いがあり、県の監理責任が問われそうだ。

関係者によると、小野新は県が発注した岩泉町の小本川堤防工事を約3億1600万円で受注。県の出先機関、沿岸広域振興局土木部岩泉土木センター(同町)が監理を担った。

違法派遣があったとされる期間は14年4月~15年7月。岩泉土木センターの県職員は14年春、長崎など九州ナンバーの車が多いことに気付き、小野新の「工事長」と詐称させられていた男性(32)にただした。男性は「地元(長崎)に仕事がないため」と釈明すると、それ以上の追及はなかったという。

建設会社は15年7月、現場を撤退。その直前、男性が無料通信アプリLINE(ライン)でこの県職員に違法派遣の実態を打ち明けると、「それは違法」と返信があった。

小野新は生コン工場や広大な採石場を所有する岩手県北の有力企業で、震災復旧工事に不可欠な存在とされる。男性は「資材高騰や人手不足で復旧工事の入札不調が続く中、小野新は県にとって必ず受注してくれるありがたい存在だった」と推し量る。

県河川課は4日、違法派遣疑惑に関する河北新報社の取材に「初めて聞いた」と回答。岩泉土木センターの担当者が半年前から違法派遣を知りつつ、県土木部に報告していなかった可能性もある。

岩泉土木センターの佐藤茂之河川港湾課長は5日の取材に「事実関係を調査中だが、担当職員から報告はなかった。違法と知りつつ、事実を伏せたということはないと思う」と語った。




http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160206_33031.html