ガソリン下落で回転ずしがウハウハの怪 駐車場完備の郊外店が大繁盛

原油安に伴うガソリン価格の値下がりに回転ずしチェーン業界が沸いている。自家用車での来店が多い郊外の国道沿い店がほとんどで、ガソリン安になるほど浮いたお金で来店するファミリー層が増えているためだ。

世界的な原油相場の下落を背景に、ガソリン価格は毎週のように下げ足を強めている。経済産業省資源エネルギー庁によると、2月1日時点でのレギュラーガソリンの全国平均小売価格は113円40銭。値下がりは14週連続で、直近の高値だった平成26年夏(1リットル=約170円)と比べて3割以上も安くなっている。

裏返せば満タンにしても一回当たりの支払いが3割以上安くなる計算。その分、浮いたお金の使い途として、選択肢になるケースが多いのが、回転ずしなどの外食という。大手の回転ずしチェーンは、地方の国道沿いで大型駐車場完備の店が中心で、車での来店が多い。実際、ほとんどが郊外型の「はま寿司」を展開するゼンショーホールディングスの担当者は「ガソリン価格が下がると、郊外店での来店客が増えるのは間違いないですね」と話す。足元のガソリン価格の下落を受け、はま寿司の既存店の来店客数はレギュラーガソリン価格が1リットル当たり130円を切った昨年12月頃から前年同月比でプラスに転じており、ガソリン安が進んだ年明け1月以降は、さらに客足が伸び始めているという。

ガソリン価格の下落と客数増がパラレルな関係なのが「くら寿司」を運営するくらコーポレーションだ。レギュラーガソリン価格が毎週のように下がりはじめた昨年8月から既存店の客数は、天候が悪かった11月を除いて、すべてで伸びた。酢飯(シャリ)を使ったカレーライスなど新メニューの投入も当然ながら寄与したが、「ガソリンの下落が押し上げた側面も強い」(証券アナリスト)。

回転ずしが客足を伸ばす一方、回転ずしと同様に地方の郊外での出店が多い紳士服チェーンや家電量販店はガソリン安の恩恵が業績にまだ結びついていない。

昨年11月、12月の既存店客数は、「洋服の青山」を展開する青山商事がいずれも前年同月比9.3%減、8.8%減。「AOKI」を運営するAOKIホールディングスは14.3%減、5.9%減だった。

家電量販店のケーズホールディングスの既存店売上高は11月が2.7%減、12月が4.3%減だった。

客単価が1000円程度の回転ずしと異なり、スーツやコート、家電などは1万円を超えるケースがほとんどのため、ガソリンが下がったからといってすぐに財布が緩むものではない。むしろ「株安で資産が目減りする影響の方が大きい」(エコノミスト)という。

国際的に下げ止まらない原油相場を受け、全国的にガソリン価格のさらなる下落が予想される。足元の客足が増えつつある回転ずし業界以外に、どこまでその効果が波及するかが、国内景気の先行きにも、少なからず影響を与えそうだ。




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