ぜいたく病じゃない! 日本人に多い「 遺伝性の糖尿病 」とは

糖尿病患者の一般的なイメージといえば、「ぜいたくな食事をしている人」「太っている人」「甘いものをたくさん食べている人」「お酒をたくさん飲む人」でしょうか。どれも間違ってはいませんが、必ずしもそうとは言えません。粗食でも、痩せていても、甘いものが嫌いでも、お酒を飲まない人でも、糖尿病になる可能性があります。

その理由のひとつに、「遺伝的素因」が挙げられます(2型糖尿病と言う)。

肉親に糖尿病の人がいた場合、そうでない人に比べて糖尿病になりやすいことがわかっており、そこには、2型糖尿病の原因となる遺伝子異常がいくつか見つかっています。

父親の辛い糖尿病闘病生活を見てきたBさん(45歳・男性)は、自分は同じような思いをしたくない、と健康的な生活を心がけています。太らないように、食事はいつも腹8分目、毎日運動もしています。しかしながら、健康診断の結果で、血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が、異常値ではないものの年々上がっているのが気になっています。

「遺伝だから仕方がないとも思っていますが、糖尿病になっても今の生活は続けるつもりです」(Bさん)。

糖尿病は、こうした異常遺伝子が受け継がれること以外にも、様々な異常が積み重なることによって発症するため、はっきりと原因が特定できる例はほとんどありません。

また、遺伝的素因はあくまでも「糖尿病になりやすい」のであって、必ず発症するわけではありません。
体質を持ちつつ、さらに、食生活の乱れ、運動不足、肥満、ストレス、などの環境因子が加わり発症するものなのです。

また、人種的な体質もあります。欧米人に比べて、。日本人は肥満度が低くても2型糖尿病を発症する人口が多いことがわかっています。これは、日本人は古くから穀物が中心の低脂肪食が中心だったため、少ないカロリーでも効率良くエネルギーを生み出す能力が備わり、省エネ体質になったのです。

そこへ、食生活の変化が加わり過剰にエネルギーを摂取するようになり、糖尿病が激増したと考えられています。遺伝的素因が日本人と変わらない日系2世アメリカ人は、日本人の2〜3倍、アメリカ人と比べてもかなりの差で糖尿病が多いという報告があります。

このことからも、日本人の糖尿病の発症が環境に大きく影響すること、糖尿病になりやすいこと、環境に影響されやすいことがわかります。

遺伝的素因は、異常遺伝子が残れば何代にもわたって伝わり、残らなければ伝わりません。しかし、2親等、つまり、祖父母が糖尿病であったかどうかは知っておくといいでしょう。遺伝的素因がある可能性があれば、「自分も糖尿病になりやすいこと」を心にとめておきましょう。

さて、Bさんの場合、たとえ遺伝的素因を持ち糖尿病になりやすい体質であったとしても、食事や運動に気を付けていることで糖尿病発症を防げている可能性は十分にあります。それでも血糖値が上がる傾向にあるのは、食事の量や運動以外にも何か原因となる生活習慣があるのかもしれません。

今の生活を継続するとともに、定期的な見直しも必要です。また、Bさんがもし糖尿病になっても、「父親と同じ治療」が適切とは限りません。正しい知識と、自分の状態や治療を理解すること、それに合わせて生活習慣や治療を定期的に見直していくことが、良い状態を保つキーポイントになります。




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