<甘利担当相辞任>政権支える3本柱の1本折れた…識者談話

週刊文春による現金授受疑惑報道から1週間。「説明責任を果たす」と繰り返していた甘利明経済再生担当相が28日開いた記者会見で急転直下、辞任を表明した。緊張もあらわに「本日ここに辞職を決断しました」と述べると、会場に詰め掛けた記者から「えーっ」とどよめきもあがった。

◇政治評論家の伊藤惇夫氏の話

約3年間、極めて順調に運営してきた安倍政権にとって最大の危機だ。甘利氏は菅義偉官房長官、麻生太郎財務相とともに政権を支える3本柱だったが、その1本が折れてしまった。今後、アベノミクスの先行きにも、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)関連法案の処理にも不安がつきまとう。安倍政権そのもののイメージダウンも大きい。2月4日のTPP署名式を終えてから辞めるのではともうわさされていた。もう少し粘るかと思っていたが、長引けば傷が深くなると総合的に判断し、辞任を決めたのだろう。都市再生機構(UR)に対する働きかけがあったかどうかなど疑念は残り、今回の記者会見で説明責任が全て果たされたとは言えない。

◇元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏の話

辞任は当然だが、甘利氏は危機管理が甘すぎた。週刊誌報道が出てすぐに事実関係を把握すべきだったのに、それが不十分なまま、安倍晋三首相が続投させる方針を表明した。その根拠は何だったのか、今後は安倍首相の任命責任も問われることになる。東京地検特捜部などの捜査当局が動くかどうかも焦点だ。あっせん利得処罰法違反や政治資金規正法違反だけではない。秘書らが金を受け取り、請託を受けて何もしなかったとしたら、詐欺罪に問われる可能性もある。捜査当局は犯罪の要素があるかどうか、徹底的に調べるべきだ。

◇ジャーナリストの田原総一朗氏の話

野党側は、ここで甘利氏が辞任しなければ、安倍首相の任命責任を一斉に追及しようと身構えていた。疑惑を最初に報じた週刊誌の続報が出るのを待った上で、政権へのダメージが決定的になるのを避けるため、このタイミングで辞めたのだろう。政権の中で主要な役割を果たしていた甘利氏の辞任による政権へのダメージは大きいが、ここで辞めないより、はるかに助かったと思う。大臣を辞めるのは当然だが、問題は議員辞職まで行くかどうか、あっせん利得処罰法違反や収賄罪に問われるかどうか。甘利氏の記者会見では詳細な説明はなかった。今後、検察が動くかどうかにかかってくると思う。検察が捜査することになれば、議員辞職もあり得る。




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