障害乗り越え カフェ店員に

静岡北特別支援学校南の丘分校(静岡市駿河区)の高等部三年、京優里花(きょうゆりか)さん(17)が、憧れの喫茶店で働く夢をかなえた。大手コーヒーチェーン「スターバックスコーヒージャパン」(東京都)の静岡市内の店舗で四月から働く。学校で接客の心得を磨いて自ら手にした就職内定は、特別支援学校の後輩たちの励みになっている。

京さんが働くのは、静岡市葵区の商業施設「MARK IS 静岡」内の店舗。昨年九月から十月にかけて三週間、採用を目指し実習に励んだ。レジに立つのは難しいが、裏方として器具や皿を洗ったり、ミルクなどの補充をしたり。新商品の試飲では、店の前でお客にカップを配り「喜んでもらってうれしかった」と、持ち前の柔らかい笑顔で振り返った。

京さんは、学校の作業学習で接客を学んでおり、静岡障害者技能競技大会(アビリンピック)の喫茶サービス種目で、一、二年生の時に優勝した。二年生の六月にも、授業の一環でこの店舗で二週間職場実習をし「ここで働きたい」と思うようになった。

スターバックスではアルバイトも含め、従業員を「パートナー」と呼ぶ。二〇〇二年から、障害者手帳を持つ人で、働く際に支援が必要な人を「チャレンジパートナー」として東京都の店舗から採用を開始。昨年六月現在、全国で二百一人が働く。静岡県では昨年から採用活動を始め、今回初めて、京さんを含め特別支援学校高等部三年の女子生徒三人が内定した。

京さんは軽い知的障害で、どれくらい店が混雑するかを見越して動いたり、あいまいな表現での指示を理解したりするのは難しい。井戸富友紀店長は「用語をきちんと言ったり、水をここらへんまで、ではなく六リットル入れて、と具体的に示したりするようにした。でもそれは、店舗のパートナーの皆が仕事の基本を再確認した程度で特別なことではない」と話す。

実習中、氷が少なくなっているのに気付いて「入れましょうか」と自分から動いたり、お客さんから直接頼まれて子ども用のいすを出したりと、言われた仕事以外もこなせた。佐藤徹副校長は「認めてもらえる雰囲気があると本人も努力できるようになる。皆さんの支援で、最大限の力を発揮していると思う」と感謝する。

チャレンジパートナーは個人の状況に合わせて働く時間や内容を決める。一年後からは正社員登用の道も開いている。京さんは「笑顔を生かしてお客さんに喜んでもらいたい」と、働き始めるのを心待ちにしている。




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