恵まれぬ食環境に支援を 「こども食堂」広がる輪 開設希望者ら都内でシンポ

ひとり親や貧困などの事情で一人で質素な夕食をとりがちな子どもに、だんらんの場と食事を提供するため各地で試みられている「こども食堂」。その運営者と、新たに食堂を始めたい人たちが交流するシンポジウムが十一日、東京都豊島区であった。全国で六人に一人の子どもが貧困状態にあるとされる中、二百人以上が経験者の話に熱心に聞き入った。 

主催した「こども食堂ネットワーク」に参加する食堂は、昨年四月時点で七つ。現在は三十三団体にまで増え、支援の輪は広がっている。

「食堂を始めると多くの人が協力してくれた。子どもの力になりたいという潜在的な思いを持っている人はたくさんいる」

昨年十月から三鷹市で「みたかやま子ども食堂」を開くスクールカウンセラー高橋久美さん(33)は、そう手応えを話した。勤務先の都内の小学校で、家庭で満足に食事を取れていない子どもに多く出会い、昨年夏にシンポに参加。その場で意気投合した近所の人と開設を決めた。

定食屋を借りて月に一度開く食堂には、児童館の人が子どもを連れて訪れ、農協が野菜を提供し、近くの主婦らが空き時間に調理を手伝う。「今後は一人一人の子どもが直面する課題を把握し、どう学校などとつなぐかが課題です」と強調した。

大阪市西成区で一九七七年から児童支援施設「こどもの里」を営む荘保共子(しょうほともこ)さんも講演で、「食堂の運営を通して子どもの家庭の問題に目を向けて」と訴えた。

ひとり親の深夜勤務、精神疾患、虐待。子どもの貧しい食環境の背景にある親の問題に手がさしのべられず、子どもの孤立が増す例も多いという。

中野区で「かみたかだ食堂」の四月のオープンを目指す伊藤由宏さん(42)は、「継続して親子と関係をつくる一方、福祉の専門家とどうネットワークを作るかを考えたい」と話していた。




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