違法象牙の抜け道指南 登録審査の財団法人「昭和に入手と言えばよい」

ゾウの密猟の阻止に取り組む米国の非営利組織「環境調査エージェンシー」が十一日、スイス・ジュネーブで、日本の環境省と経済産業省の「認定機関」である一般財団法人・自然環境研究センター(東京)をめぐる実態調査の結果を明らかにし「センターの担当者が違法な象牙取引を促進している」と批判した。環境省野生生物課は本紙の取材に「センターと連絡を取って事実関係を精査しており問題があればしっかり対応する」としている。 

ジュネーブでは十一日、絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の常設委員会の会合が十五日までの予定で始まり、象牙取引の問題も議題に含まれている。

環境調査エージェンシーは昨秋、調査員が象牙所有者を装って「登録申請をしたい」とセンターに接触。担当者との複数回に及ぶ会話の全容を録音していた。本紙が関係者から入手した音声ファイルによると、約二十一分三十秒に及ぶ電話でのやりとりでは、調査員が「象牙を二〇〇〇年ごろから持っている」と主張しているにもかかわらず、センターの担当者は、規制前の「昭和の時代」に入手したと申し出れば問題ない、と繰り返し助言していた。

環境調査エージェンシーは先月、日本の象牙買い取り業者三十七社に対する調査結果を発表し、うち十一社が象牙を無登録のまま違法に買い取ろうとしたとして、登録制度の形骸化を批判。今回、登録事務を行う側の問題点を指摘した。

密猟により絶滅の危機に陥ったアフリカゾウは、一九八九年のワシントン条約締約国会議で商業目的での輸出入が原則禁止された。印鑑などに使うため象牙消費国だった日本は、九九年と二〇〇九年に例外的に輸入が認められたが、それ以外に国内に持ち込まれた違法な象牙が流通しないよう自然環境研究センターが取引前に合法性を確認し登録する事務を行っている。




http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016011290065959.html