ゾンビ企業温存の悪弊 厚生年金加入逃れは退場に

厚生年金の加入資格があるのに、推計で約200万人が国民年金に加入している――。厚生労働省が昨年末、そう発表しました。保険料を加入者が全額負担する国民年金に対し、厚生年金の保険料は労使の折半です。負担を嫌がる雇用主の加入逃れが大きな要因と見られています。国民年金の給付水準は厚生年金より低いので、ツケは従業員が老後に払うことになります。

厚生年金加入逃れの可能性ありと推定される事業所数は約75万。一方、銀行借り入れの返済猶予を受けている会社は30万~40万社と言われ、先の事業所数はかなりリアルな数字です。

正直に負担したら倒産する会社も多いのでしょう。本当なら死んでいるのに生きている、まさにゾンビ企業です。しかし、厚生年金の加入逃れは企業の社会的責任の放棄であるうえ、不正にコスト(保険料)を削減した企業がまともな企業を打ち負かす「底辺への競争」を招きかねません。社会保障先進国の北欧では、社員の保険料すら払えない企業は市場から即刻退場すべきだという考えが普通です。低収益企業の温存は産業の新陳代謝と社会保障維持の双方の敵だからです。




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