装着の有無で差はなし 個人線量計の外部被ばく量推定

英国インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院の野村周平氏らの研究チームは、南相馬市の児童生徒を対象に、外部被ばく量を測定する個人線量計(ガラスバッジ)を自宅に置きっ放しにするなどして身に着けなかったり、持ち歩かなかったことがあった場合、測定値にどの程度誤差が出るかを調べ、論文にまとめた。ガラスバッジを適切に装着していた場合に想定される被ばく量と比べて大差はなかった。

4日までに英国医学雑誌のオンライン版に発表した。論文では「たとえ適切に使用されなかったとしても、その測定値は十分評価が可能だ」と結論づけた。

研究では、2012(平成24)年9~11月にガラスバッジが配布された南相馬市の児童生徒1637人の測定値を分析。このうちガラスバッジを学校や屋外に持って行かないなど不適切に使用する時間帯があったのは1518人で9割以上を占めた。すべての時間帯で適切に扱ったのは117人にとどまった。1518人の被ばく量の平均値を、適切に使用した児童生徒の値から推定した本来の被ばく量とを比べた結果、統計的な差はなかった。

除染が早く完了した学校にガラスバッジを持って行かず自宅に放置した場合は、ガラスバッジは実際の被ばく量よりも高い値を示し、逆に放射線量が高い屋外に持って行かなかった場合は実際の被ばく量よりも過小評価となったが、いずれの場合も誤差は非常に小さかった。

研究チームには、南相馬市立総合病院に勤務する東大医科学研究所の坪倉正治医師らが参加した。




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