中電が新料金、今月中旬に発表 顧客引き留めへ

家庭でも電気を買う会社が選べるようになる四月からの電力小売り全面自由化を控え、中部電力は新たな料金プランを今月中旬に公表する。ガスや通信会社など新規参入事業者との競争激化が予想されるため、四月からの料金プランでは長期契約による割引制度などの導入も検討し、顧客を囲い込む構えだ。

勝野哲社長(61)は本紙のインタビューで「顧客の期待を裏切らない付加価値の高いサービスを提供していく」と強調。新料金プランでは「顧客のニーズや生活スタイルに合わせたり、(家事代行など)暮らしを支援するサービスを組み合わせたりして、引き続き中電を選んでもらう」と語った。

中電は現在、電気使用量を三十分ごとに把握できるスマートメーター(次世代電力計)の設置作業を進めている。全戸への設置は二〇二三年三月までかかるため、従来の電力計のままの家庭向けにも新プランを用意するという。

四月からの自由化で、中部九県内の家庭向けに電気の販売を始める事業者は、本紙の昨年末時点の集計で少なくとも十七社に上っている。このうち滋賀県全域や福井県の一部など関西電力管内で参入する大阪ガス(大阪市)は既に電気料金を発表しており、四日に契約受け付けを始める。

大阪ガスは、ガスとのセット購入に二年間の長期契約を組み合わせることで「関電よりも最大5%安い」という触れ込み。しかし、月間の電気使用量が二百キロワット時を下回る単身世帯や少人数家庭にとっては関電の現行料金が割安になるといい、利益率が高い大所帯狙いを鮮明にした。二年契約の途中で他社に乗り換えると、二千円(税抜き)の解約金も発生する。

中電管内の業者の多くは、中電の料金公表を待って料金を設定し、顧客争奪戦に挑むとみられる。経済産業省の電力取引監視等委員会の担当者は「今後さまざまな割引制度が登場すると思われ、条件や解約金を確認して慎重に事業者を選んでほしい」と話している。

<電力小売りの全面自由化> 

大手電力会社が独占していた家庭向けの電気は4月から異業種も供給できるようになる。競争を促すことで、料金を引き下げる狙い。発電所を持たない新規参入組は固定価格買い取り制度で調達した太陽光発電による電力や、自家発電を持つ工場の余剰電力などを調達して供給する。大手電力の送配電網を使うため、各家庭は契約先を切り替えても、停電が増える心配はない。




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