<宙に浮く保険金>生保、未払い対策急ぐ 郵便局と連携も

生命保険のアフラックが来年から日本郵便と連携し、郵便局員が高齢の保険契約者の所在を確認する新たなサービスを始める。高齢化した契約者の安否が把握できずに保険金が未払いとなる「宙に浮く保険金」が拡大している問題を踏まえたもので、郵便局のネットワークを活用する。朝日生命は来年4月から、高齢者の保険金の請求を支援するサービスを開始するなど、保険各社に対策を急ぐ動きが広がっている。

「宙に浮く保険金」を巡っては、生保各社が昨夏以降に行った調査で20億円規模の未払いが確認されている。高齢化の進展に伴い、70歳以上の世帯は10年後には今より約2割増え、約1600万世帯に達する見通しで、各社にとっては保険金を着実に支払うための契約者の所在確認などの取り組みが求められている。

アフラックは主力のがん保険を中心に1510万人の契約者を抱える。しかし、代理店や保険ショップでの販売が主流のため、国内大手のように営業職員が訪問する手法は取っておらず、契約者が定年退職した後は接点がなくなりがちだった。

そこで目を付けたのが、2013年に包括提携した日本郵政傘下の日本郵便の配達網だ。70歳以上の契約者の一部に当たる約10万人を対象に、来年7月から郵便局の配達員が保険契約上の住所を訪問。アフラックの案内を手渡しで届けることで、居住の有無や安否を確認する。

また、契約者への郵送書類は宛先不明で返送されるケースが多い。アフラックは所在不明の契約者の情報を日本郵便に伝え、同社が現住所を把握している場合は、契約者の元にアフラックへの届け出を促す案内を郵送してもらうことにする。届け出によってアフラックは新住所を把握し、連絡が取れるようになる仕組みだ。

朝日生命は、医療や介護関係の給付金を契約者が請求する際に必要な医師の診断書の取得を、無料で代行するサービスを来年4月から始める。高齢者の間には、「保険金を請求したくても手続きが困難」という声も少なくないためだ。要介護認定を受けている人が対象で、書類をそろえる負担を軽減することで請求をしやすくする。

同社は高齢者の問い合わせに対応するコールセンターも強化。保険金の請求など記入項目が多い書類を契約者に送付した際、コールセンターから契約者に電話をかけて記入方法を説明する。

「宙に浮いた保険金」については、大手生保が90歳以上に限定して調査をしてきたが、住友生命は10月、人数が多い80代まで対象を広げた調査を始めた。家族との同居の有無や連絡先を営業職員が確認し、認知症などで契約者との意思疎通が難しい場合は、家族に保険契約の存在を伝え、死亡保険の未請求を防ぎたい考えだ。




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