電力自由化で選べる料金 営業ルール方針 家庭向け月額例示

経済産業省は二〇一六年四月の家庭向け電力販売の自由化に伴い、電力会社が守るべき営業ルールの詳細を固めた。利用者が電力会社を選ぶときに目安となるよう、家庭の標準的な電気使用量での月額料金を示すことを要請する。大手電力は六千九百十五~七千八百九十九円(一六年二月)で、自由化後も大手と新規参入の電力会社の料金を簡単に比べられるようにし、健全な競争を促す。

一六年四月に大手電力による家庭向け電力販売の独占がなくなり、ガス会社や石油元売りなど多様な企業が参入する。解約時に不当に高い違約金を請求することは禁じるなど、利用者が不利益を受けないようにする。誤解を招く表現での宣伝や強引な営業活動も防ぐ。

電力取引監視等委員会は一六年初めにルールの指針をまとめ、経産省が正式決定する。電力会社がルールの禁止事項に違反したり、義務事項を守らなかったりすると電気事業法に基づく業務改善命令などの対象となる。

利用者への情報提供に関しては、標準家庭の料金のほか「標準メニュー」の公表を求める。「停電しにくい」など根拠のない表現での勧誘や、料金を「時価」とすることは禁止する。契約後に料金を請求する際は電力使用量の明示を義務付ける。

電気を「地産地消」とうたって売り込む場合は、発電所の立地場所と供給地域を示すことを義務とする。地元産の燃料を使うなど地産地消の理由説明も求めた。

解約については、電力会社の供給域外に引っ越す際は違約金を請求しないよう求める。訪問販売か電話勧誘による契約はクーリングオフの対象とし、契約書面が届いてから八日間は無条件で解約できる方向で調整する。解約で電気を止めるときは五日程度前に利用者に通知することを義務とする。

太陽光や風力など再生可能エネルギーの表示も規定を設ける。固定価格買い取り制度を利用した電気は、制度の略称を用いた「FIT電気」との表示を義務とする。

制度を利用した電気を「グリーン」や「きれい」と宣伝することは禁止する。制度は全ての利用者が費用を負担しており、一部企業が環境への負荷が小さいことを強調するのは不公平なためだ。

再生エネや火力、原発の割合といった電力の電源構成は自主的な開示を要請するが、義務化は見送る。

<家庭向け電力販売> 

「低圧」と呼ばれ、家庭のほか規模の小さな商店向けが含まれる。東京電力や関西電力など全国の大手10社が地域で独占している。市場規模は8兆円とされる。2016年4月の電力小売り全面自由化で、大手10社による地域独占がなくなり、異業種の参入が始まる。各家庭は料金やサービスを比較し、自由に電気の購入先を決めることができる。




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