<新電力>顧客獲得本格化 家庭向け料金続々 来春自由化

来年4月の電力小売り全面自由化を控えて、新規参入事業者(新電力)による顧客獲得の動きが本格化してきた。25日までに東京ガスや大阪ガスが一般家庭向けの料金メニューを発表。年明けから、消費者が電力の契約先を変更する事前受け付けが可能になるため、大手電力より割安な価格をアピールする動きは相次ぎそうだ。ただ、値下げは電気使用量の多い利用者にとどまる可能性もある。

「他社より早く営業を仕掛け、顧客を獲得したい」。24日に家庭向け電気料金を発表し、競争の火ぶたを切った東ガス幹部は意気込む。東京電力管内の世帯あたりの平均電力使用量は月290キロワット時だが、東ガスはガス料金とのセット割引で、月392キロワット時を使った場合、東電の現行料金より4%(年間約5000円)割安になる。大ガスも4人家族で月370キロワット時を使う世帯をモデルケースに掲げ、関西電力より5%(同約6200円)割安になると発表した。

ただ、ガス大手2社が提示した料金について、大手電力関係者は「使用量の少ない単身世帯などは、逆に割高になるのでは」と指摘する。大手の現行の料金制度では、最低限の生活水準を維持するのに必要な月120キロワット時までの料金は、かなり割安に設定されているためだ。このため新電力は、使用量が多い世帯に照準を合わせざるを得ない。省エネを心がけている世帯ほど、自由化の恩恵が受けにくい構図にもなっている。

ガス業界以外では、私鉄大手の東京急行電鉄子会社「東急パワーサプライ」が、基本料金を1割割り引くことを軸に検討しており、28日にもメニューを発表する。石油元売りの東燃ゼネラル石油も、東電より最大6%安い価格での参入を検討、詳細を今後、公表する予定だ。

家庭向け小売りへの参入を予定・検討し、経済産業省への登録を済ませた新電力は現在40社を超える。都市ガスや石油元売りなどエネルギー大手から、大手通信、太陽光や風力の再生可能エネルギー発電事業者まで多様な顔ぶれがそろう。25日には、ソフトバンクとコンビニ大手のローソンが参入を表明し、それぞれの関係会社が経産省への登録を申請した。契約変更の事前受け付けが可能になる来年に向けて、参入する事業者は拡大する勢いで、価格・サービス競争がどこまで進むのか注目が集まりそうだ。




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