年末年始の露店が消える? 山口組分裂余波… 暴力団隠れ蓑の外国料理店も増加、警察当局は警戒強化

年末年始の風物詩である寺社参道などの露店風景に、暴力団情勢の変化を受けて「異変」の兆しが見えている。国内最大の指定暴力団「山口組」の分裂騒動の影響で、縁日の常連だった露店の一部が姿を消す可能性が指摘されるほか、定番の焼きそばやたこ焼きなどに代わり、暴力団の息の掛かった外国料理の店が増えている。警察当局は年末年始の露店でトラブルが起きる可能性もあると見て、全国的に警戒を強める。

11月の週末、東京都内の寺社で開かれた酉の市。露店が連なる参道が人でにぎわうなか、警視庁の警察官が目を光らせていた。警戒の対象は、暴力団組員らによるトラブルだ。

祭りや縁日などに出る露店は古くから、暴力団系の露天商が差配する構図があったが、平成23年までに全都道府県で暴力団排除条例が施行されたことなどを受けて「暴力団系」は一掃されたとされる。都内の寺社関係者は「暴力団が店を出さないよう毎年チェックしている」と胸を張るが、捜査関係者は「いまも暴力団は一般人を表に立てて参入している」と指摘する。

暴力団関係者によると、近年、中東料理のケバブや韓国料理のチャプチェといった外国人が運営する外国料理の露店が増加している背景には、暴力団排除の機運の高まりがあるという。「外国人は暴力団との関係を疑われにくいので格好の隠れみのになっている。一部は確実に暴力団の影響下にある」と打ち明ける。

こうした変化にさらに拍車を掛けそうなのが、山口組の分裂だ。

「神戸山口組の関係者は露店への出入りをやめてほしい」。捜査関係者によると、山口組の分裂が発覚後、「出入り禁止」の通達が露店関係者から暴力団関係者に向けて出された。

暴力団が関係する露店周辺では、対立する組織の関係者同士でも対立を避けるのがならわし。だが、分裂の渦中にある神戸山口組と山口組の間では抑制が利かない可能性がある。実際、11月には東京・浅草の酉の市に顔を出した神戸山口組関係者と周囲でトラブルが発生し、警察官が出動したという。

露店に影響力のある暴力団関係者によると、山口組内部では、離脱を機に神戸山口組が影響力を持つ露店の縄張りを奪う計画が検討されている。一方、暴力団の影響下にある露店の中には、トラブルを避けるため出店を見合わせる動きもあるという。この暴力団関係者は「神戸山口組や山口組の影響力が強い露店は、人気のある老舗でも、今度の年末年始は排除される可能性がある」と指摘する。

警察当局はこうした動きを受け、初詣などのパトロール人員を増やすなど警戒を強化するが、対応には限界もある。神戸山口組はいまだに暴対法上の指定暴力団に指定されておらず、警察当局も全容を把握しきれていない。寺社関係者は「分裂を機に露店に潜り込むことがないよう警察と連携して目を光らせるしかない」と話している。




http://www.sankei.com/affairs/news/151225/afr1512250031-n1.html