FDAが国際線参入へ 2年内に中部就航

愛知県営名古屋空港(同県豊山町)を拠点の一つとする地域航空会社フジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)は、二〇一七年までに中部国際空港(愛知県常滑市)に新規就航し、初めての国際線をチャーター便で開設する方針だ。国内は昼間しか利用できない地方空港が多く、夜間発着が可能な中部空港を海外展開の足掛かりにする。鈴木与平会長(74)が二十二日、本紙の取材に明らかにした。

現在の九機態勢を二年後には十二機程度まで増やす。旅行需要の多い夏季を中心に、夜間飛べずに余っている旅客機を韓国、中国、台湾などへのチャーター便に充てる。名古屋空港の国内線は堅持する。国際線は中部空港のほか、夜間発着が可能な関西空港、北九州空港への乗り入れを計画する。

中部空港就航に当たっては、国際線長距離便の利用客に照準を合わせ、成田便新設も目指す。

欧米系の航空会社と手を組み、中部-成田の旅客輸送を請け負う代わりに、運航費用の一部を負担してもらう仕組みづくりを進める。

国内の地方都市を結ぶ空路で成長を遂げたFDAが、海外に翼を広げる。拠点の県営名古屋空港では路線拡大に制約があり、今年一月には愛知県の意向に沿って中部国際空港への就航方針を打ち出していた。国内線は名古屋、国際線は中部・関西・北九州と使い分ける戦略で旅客輸送を増やし、知名度アップも目指す。

「名古屋空港の路線は好調。黒字化目前だ」。鈴木与平会長は手応えを語る。名古屋市から至近の地の利を生かし、旅客数は二〇一一年度の三十一万人から昨年度は六十五万人と倍以上に。搭乗率も九路線平均で68・8%と好調だ。

ただ、愛知県は中部空港開業後は定期路線の中部空港への一元化を進めており、FDAに名空港での増便や新規路線開設は認めていない。最近は名空港を開発拠点とする国産ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)のテスト飛行が本格化することを理由に、中部空港に就航するよう働き掛けていた。

FDAは当初、国内線での中部空港就航を検討していたが、ここ一年で航空事情は激変。国内外の格安航空会社(LCC)が相次いで就航し、FDAが参入しても価格競争で敗れる可能性が高まった。一方、欧州の相次ぐテロでアジアを目指す日本人が増え、ツアー向けの国際線チャーター便に新たな需要が生まれた。

中部-成田線の開設を計画するのは、中部空港に就航する長距離の国際線が減り、東海地方のビジネス客が欧米便の発着が多い成田に移動する需要が高まっているためだ。地方都市間の旅客輸送に中部空港の新路線を加えることで県の要望に応えつつ、攻めの戦略が打ち出せるとの目算がある。鈴木会長は「増大する訪日客の需要も取り込めたらさらに良い」と話す。




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