原子力機構 福島事故後も天下り38人 もんじゅ請負先など横滑り

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が、機構OBらが経営する「ファミリー企業」と不透明な契約を続けている問題で、福島の原発事故後もOB三十八人が二十法人に天下っていたことが分かった。機構は、契約のあり方を抜本的に改善するとしていたが、疑念を招く根本原因であるOB問題は実質的に手付かずだったことになる。

機構OBの天下り状況は、八日、文部科学省が民主党の柚木(ゆのき)道義衆院議員に提出した資料で判明した。

資料は、本紙が四日付で報じた二十八のファミリー企業・団体の受注額順に、原発事故後の二〇一一~一五年度の五年間で、機構OBが、どの法人のどんな役職に就いたのかを一覧にしている。

中でも疑念を抱かせるのは、もんじゅの管理面を担当する敦賀事業本部の本部長代理らが、ほぼもんじゅ関連の業務だけで成り立っている警備会社「ナスカ」(東海村)や検査会社「高速炉技術サービス」(敦賀市)の社長や役員として再就職している事例。

このほか、原子力施設の保守・分析を得意分野とする「アセンド」(東海村)の東海村や茨城県大洗町の事業所長に、機構が同村と同町に保有する研究開発施設の技術者が就任している事例もあった。

これらはいずれも、数年前までもんじゅなどに携わってきた人物が、業務の請負先のトップや現場責任者に横滑りする形だ。後任の機構職員らは、先輩や上司だった人物を相手にすることになり、ミスがあっても口を出しにくく、発注を打ち切りにくい風土を生みだしかねない。

柚木氏は「機構をめぐり、依然として天下りなどのなれ合いの構図が続いている。このこと自体が、原子力規制委員会から事実上のもんじゅ廃炉勧告を出された一因にもなっているのではないか」と指摘した。

機構の広報担当者は「退職者への再就職あっせんや情報提供を禁止するルールを定め、厳格に運用している」と、機構として天下りには関与していないと強調した。また「関係のある企業・団体に再就職したOBは、機構で得た知識や経験が、再就職先の需要と合致したケースなどが考えられる」と話した。




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