福島第一汚染水漏れ続く 機器劣化も進行 トラブル温床に

東京電力福島第一原発で、配管の劣化や工事ミスにより、汚染水が漏えいするトラブルが相次いでいる。いずれも漏れた量は多くはなく、周辺の堰(せき)内で食い止められた。ただ、事故から五年近くがたち、機器の劣化が進むことから、大きなトラブルが起きる前に芽を摘んでおく必要がある。

最近、漏えいが集中的に起きているのが、淡水化装置。建屋地下の高濃度汚染水から放射性セシウムを除去した処理水から、特殊な膜を通して塩分を除去する装置だ。二〇一一年六月に稼働し、事故収束用に設置された機器の中で最も古い部類に入る。

この装置で今年八月、ステンレス製の配管と配管を溶接した部分から霧状の汚染水が噴き出しているのが見つかった。

その後の調査で、設置時に配管の金属が十分に溶けて接合されていなかった。配管には、処理する水を送る高圧ポンプの振動が伝わり続け、時がたつうち溶接不良の部分に無理な力がかかり続け、ひびが入った。

十月には塩化ビニール製の配管が破断し、一リットル当たり五五〇ベクレルの放射性セシウムを含んだ汚染水約一トンが漏れた。配管の端に切れ込みを入れ、この部分を挟み込んで装置に固定していたが、ポンプの振動が切れ込み部に伝わり続け、配管全体が割れた。十一月にも、ステンレス製配管同士をつなぐ金具から汚染水が約〇・三トン漏えいしていた。

淡水化装置以外では、十一月五日、2号機にたまる高濃度汚染水を別の建屋に移送する樹脂製の配管から漏れた。その後の調査で、五月下旬に建屋の配管貫通部周りを止水材でふさぐ工事をした際、白熱灯が配管に接触。そのまま作業を続け、配管の表面が過熱して溶けた。その後、弱くなった部分に力が集中して割れた。狭い場所で、ミスに気付かなかったという。

東電は「配管の交換などで適切に対応している」と説明するが、敷地の外に漏れ出すような大きなトラブルを未然に避けるため、古い装置や配管などのチェックがさらに重要になってくる。




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