核燃サイクル 延命へ新体制 経産省案 国の関与強化

原発の使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル事業をめぐり、経済産業省は三十日、サイクル事業の中核である再処理事業の実施主体を、電力会社が出資する日本原燃(青森県)から、国が監督する新たな認可法人に移すことを柱とした案を有識者会議に示し、了承された。日本原燃は、新認可法人から事業委託を受けて存続する。

新たな案では、新認可法人は電力会社が発起人となって設立され、経産省の監督下に置かれる。認可法人は国の許可なく解散できないため、サイクル事業への国の関与が強くなる。

電力会社が新認可法人に拠出金を支払うことも義務付ける。来年四月から電力の小売りが完全自由化され、競争激化で大手電力会社の経営が悪化しても再処理事業を継続できるようにすることが狙い。政府は今後、国民からの公募意見を踏まえて正式決定し、来年の通常国会に関連法の改正案を提出する方針。

ただ、日本原燃の再処理工場はトラブル続きで完成が二十三回先送りされ、いまも未稼働のまま。運営体制の見直しを迫られている高速増殖原型炉もんじゅを含め、サイクル事業の実現性が疑問視されているにもかかわらず、国が実質的な延命策を講じた形だ。

核燃料サイクル継続への批判を意識して、新認可法人には、外部有識者が入った委員会を設置して効率的な運営を促すことも明記された。

ただ、外部委員の人数構成などは未定で、この日の会議では有識者から「外部の人が過半数を占める構成にするべきだ」との意見があった。




http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201512/CK2015120102000139.html