南極海、調査捕鯨再開へ 約2年ぶり 英豪など反発必至

水産庁は二十七日、南極海での調査捕鯨を二〇一五年度中に再開すると発表した。昨年三月に国際司法裁判所(ICJ)から国際捕鯨取締条約違反と判断され、中断に追い込まれていた。関係者によると、調査捕鯨船は来週にも山口・下関や広島・因島の港を出る見通しだ。

水産庁は二十七日に国際捕鯨委員会(IWC)に、ICJの判決とIWCの科学委員会の指摘を踏まえた最終的な新計画を提出した。日本の研究者が科学的に妥当性を証明し、海外の研究者にも助言を求めたと説明している。しかし、オーストラリアやニュージーランド、英国など捕鯨そのものを否定する反捕鯨国からの反発は必至だ。反捕鯨団体シー・シェパードから妨害行為を受ける可能性もあり、計画通りに調査できるかは不透明だ。

ICJ判決は日本の従来の計画について、捕獲以外の調査も考慮すべきで、計画数と実際の捕獲数が懸け離れているなどの点を指摘した。これを踏まえ新計画は南極海で捕獲するミンククジラの数を年間三百三十三頭と、従来計画の約三分の一に縮小。捕獲を伴わない皮膚の採取や目視調査、クジラの餌であるオキアミの資源量調査を拡充する。

妨害や悪天候により、調査の中断を余儀なくされた場合は、捕獲数を翌年度以降に繰り越すなどの対応を取る。調査期間は十二年間で、開始から六年後に中間評価を行う。

<調査捕鯨> 

政府が商業捕鯨の再開を目指し、クジラの科学的なデータを得るために実施している捕獲調査。日本はIWCの決定を受け1988年度から商業捕鯨を全面的に中止した。南極海での調査捕鯨は87年度から開始したが、昨年3月に国際司法裁判所から停止を命じられ中断していた。北西太平洋では94年度から開始し、現在も継続している。直近では、ことし9~10月に51頭のミンククジラを捕獲した。調査捕鯨に関してIWCでは、科学委員会に事前に計画を示し、議論することが決められている。




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